■経済性とランニング・コスト

“LEDライトは視認性を高め、遠くまで見通すことができるのだが、ちょっと明るすぎる気もする” ― ニック・カケット (ロードテスター)

ミドル・グレードであるxDrive 20dスポーツの£32,000(579万円)という価格は、直近のライバルに対して極めて競争力が高いといえる。

ただしSEとスポーツの場合、ナビゲーション・パックは£1,490(27万円)、テクノロジー・パックは£990(18万円)、エレクトリック・ダンパー・コントロールは£390(7万円)を支払わなくてはならない。

トップ・グレードであるxDrive 25dの価格は£36,000 (651万円)。これは装備が充実したランドローバー・ディスカバリー・スポーツの価格に匹敵する。

基本装備が物足りないとはいわないが、燃費、CO2排出量ともにセリング・ポイントとはいいがたい。また、燃費計測班の記録したxDrive 20dの数値は18.2km/ℓという、いいとも悪いともいえない結果に終わった。

■「買い」か?

“はるかに良くなったが、価格を正当するほどではない” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

Good：レベルアップした実用性、高級感のあるキャビン、安定志向のハンドリング
Bad：価格、硬さ、やや騒がしいタイヤ・ノイズ、パフォーマンス、経済性

先代のX1のオーナーは、あまり認めたくない事実かもしれないが、ほかのクロスオーバーから乗り換えを検討している人にとっては、実用性や質感、ハンサムネスを歓迎するにちがいない。

ただし、BMWをじっくりと経験した人は、X1を生粋のBMWとは思わないだろう。

運動神経は悪くはないのだが、突出しているとはいえない。燃料消費率も同様だ。ハンドリングもスムーズだが、ドライバーを奮起させるとは残念ながらいえない。プレミアム・ブランドとしての期待にもいささか答えられていない。

さらに価格を考えると、同カテゴリーで1位にするのは躊躇する。競争が激化する小型SUVクラスであること、さらにBMWらしいバリュー・フォー・マネーに欠けるという点がその理由だ。

BMW X1は日産キャシュカイ(日本名：デュアリス)に勝てなかった。それに敏捷で楽しいフォード・クーガに負けた。