ジープ・レネゲード

公開 : 2015.12.25 23:50  更新 : 2017.05.29 18:34

■インテリア

“決して極上の座り心地とはいえないレネゲードのシート。しかし調整幅はたっぷりと確保されている” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

もしかすると想像していた読者もいるかもしれないが、レネゲードの前席はあまり快適とはいえない。それに室内のマテリアルはなんだかごちゃ混ぜだし、スイッチ類は非直感的。インフォテインメント・システムも使いづらい。

しかし、(かろうじてではあるが)インテリアにもチャーム・ポイントがある。まず、装備が充実している。また実用性の高さが、上記の欠点を補っているといってもいいかもしれない。

ドライビング・ポジションは悪くない。ヘッド・ルーム/レッグ・ルームともにたっぷりと確保されている。背の高いドライバーならば、ステアリングの前後の調整幅がもう少し大きければと思うかもしれないが、上下方向の調整幅の大きさは他ライバルを大きく凌いでいる。

もしかすると、調整用のレバーが尖りすぎている点と薄っぺらさに不満があがるかもしれないし、シートのクッションが少しフラットで硬いという人もいるかもしれないが、さほど身長の高くないドライバーにとっては、スペースの観点で問題はないといえるだろう。

スピーカーやシートバックはラングラーで使用するモチーフを(けっこうしつこく)使用しており、インフォテインメント・システムの周辺やエア・ベント、エアコンのコントローラー、カップホルダーを含めて、(少なくとも)他との差別化は達成されていると感じる。

インフォテインメント・システムは、大きく2つの装置で構成される。ひとつはジープ製6.5インチUコネクト・センター・マルチメディア・システム(DABラジオ/ナビつき)、もうひとつは7.0インチ・カラー・プレミアム・インスツルメント(メーター部)だ。

どちらもクリアで見やすいのだが、Uコネクトの方は、グラフィックの調整が必要。見た目はスマートフォンのアプリケーションのようなのだが、SNS用のアプリは用意されていない。

よく使う機能どうしを簡単にスイッチできるようにショートカットを用意した点、さらに右下にスクロール用ノブを設置した点は褒められる。ただしノースアップ表示に切り替える際の操作や、自動ズーム機能をオフにする際の操作は煩雑。マップの情報量を増やすとともに、シンプルに操作できるよう、改良を求めたい。

2列めのシート周辺のスペースは良好。ライバルと比べるとさすがに狭いが大きめのチャイルド・シートや成長期のティーンエージャーを乗せても文句はでないはず。

荷室容量は必要にして十分といったところで、驚くレベルでは決してない。上下方向は大きめだが、横幅、前後長はやや不足気味。フロアが底あげされているため荷物の出し入れはしやすい。フロア下には小物も入れることができる。

60:40の分割式のベンチは標準であり、折りたたみは簡単。右ハンドル仕様であれば左側のシートが6割を占めるため、荷物を最大限積み込みやすい。さらに柔軟性を望む場合は40:20:40の分割式の後席がオプションで用意される。フロント・シートもフラットにホールドしたい場合は、こちらもオプションで装備することができる。

装備が豊富であるため、セカンドカーとして家族の移動を主な使用用途とする場合には打ってつけ。ただ、価格を考えるとほかのクロスオーバー・ハッチバックと同程度の満足は得られにくい。

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