トヨタ・ランドクルーザー・プラドTZ-G

公開 : 2015.12.25 23:40  更新 : 2021.10.11 09:10

  • サードシートは、トランクからも車内からも電動でフロア格納できる。

新搭載となったディーゼル・ターボエンジンは、アイドリング時には、ややノイズや振動をキャビンにダイレクトに伝える傾向にある。さらに外部ではそのボリュームは大きくなる。ちなみにこのエンジンにはアイドリングストップ機能は与えられていないから、ゴー・ストップの多い都市部では、時にそれが負担に感じられることもある。JC08モードの燃費は、このTXZ-Gでは11.2km/ℓ。ライバルに対しては残念ながらやや見劣りする数字だ。

とはいえこのエンジンには、魅力的な部分も数多くある。例えばそのトルクは低速域から十分に厚みを感じさせるものだし、2000rpm前後のレンジでは特にスムーズでトルクフルな印象が強い。組み合わせられる6速ATの制御は、当然のことながらこのレンジを保つもの。加速は2300kgにも達するウエイトをハンデと感じさせない、実に軽快なものだった。

今回の試乗では、残念ながらオフロード性能を楽しむことはできなかったが、その素晴らしさはランドクルーザー・シリーズの伝統であり、また世界中でそれが高く評価される直接の理由でもある。

TZ-Gグレードでは、オンロードとオフロードでスタビライザーのセッティングを変化させるKDSS、そしてサスペンションやステアリングの制御を「コンフォート」、「ノーマル」、「スポーツ」の各モードで変化させるAVS、あるいはリアの電子制御エアサスペンションなどが標準装備。オンロードでの旋回性能、そしてスタビリティは、これらの最新装備によって、非常に高いレベルへと導かれていた。走りの完成度はオンロード、そしてオフロードともに、ライバルにとっては大きな脅威といえるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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