基準車が等長(レイアウトは4-1)のエグゾースト・マニフォールドを使用するのに対して、GT350Rは非等長(4-3-1)を採用。

フォード製のV8らしい音になっており、実際に耳にするとエスプレッソを何倍もがぶ飲みした時みたいな覚醒を味わえる。ハイピッチな南イタリアのそれとは一味も二味もちがって感じる。

■どんな感じ?

鮮やかなレッドのスターター・ボタンを親指で押すと、GT350Rは突風を巻きおこしながら目覚める。ジャガーF-タイプRのサウンドがおとなしく感じるほどだ。

男性ホルモンがみなぎるような典型的なアメリカン・モデルを望んでいるのであれば、「これこれ!」と唸ってしまうはずだ。

そこからアクセルを踏み込むと、ホンダのVTECのようにフワーン!と軽やかに吹けあがる。新世代のヤンキーを虜にする教科書ここにあり、と感じる。

回転域の最後の4分の1ではさらなるマジックが待っている。マンモスのようなエンジンは、いきいきと回り、溢れんばかりのパワーを生みだしはじめるのだ。

タイムだけでいうと911 GT3と肩を並べることになるはずだが、乗った際の印象はまったく異なっている。