メルセデス・ベンツA180スポーツ

公開 : 2016.01.05 23:45  更新 : 2021.10.11 08:58

■どんなクルマ?

1998年発売の初代メルセデスAクラスは、燃料電池車などへの転用を意識したサンドイッチ・コンセプトと呼ばれるユニークな二重フロア構造を採用した、全長3.6m弱の超コンパクトな5ドア・ハッチバックだった。と同時にそれは、メルセデスで初の市販FWD=前輪駆動車でもあった。

だが結局、そういった未来志向のモデルは初代Aクラスから登場しなかったが、二重フロア構造はクラッシュ時の安全対策としても有効とされ、2004年登場の2代目もボディは全長3.9m弱に拡大されたものの、同様の構造とスタイルを保ったクルマだった。

ところが、2012年にデビューした3代目はまったく違うクルマだった。それはサンドイッチ構造を止めた通常の5ドア・ハッチバックで、ボディサイズも全長4.3m前後に拡大され、属するカテゴリーも初代と2代目のBセグメントから、Cセグメントに変わっていた。

その3代目Aクラスが、フェイスリフトして新型になった。外観は、モデルによってはAMGデザインのバンパーを組み合わせてより精悍になったフロントや、エグゾースト・エンドと一体化した新デザインのバンパー、新デザインのLEDテールランプなどを採用、自らスポーツ・コンパクトと呼ぶコンセプトに一段とマッチしたスタイルを手に入れている。

モデル構成は基本的に従来型と変わらず、1.6ℓ直4ターボ搭載のA180、2ℓ直4ターボ搭載のA250シュポルト4MATIC、2ℓ直4ターボのハイパフォーマンス版搭載のトップモデル、Mercedes-AMG A45 4MATICの基本3モデルがラインナップされる。

これらのなかで、A250用2ℓターボが7psと5kW向上して218psと35.7kg-mの、量産型4気筒ターボエンジンとしては世界最強とされるAMG A45用の2ℓターボもさらに21psと20kWを上乗せして、381psと48.4kg-mのパワーとトルクを手に入れている。

さらにA250はサスペンションにも手が入り、電子制御アダプティブダンピングシステムが採用された他、AMG A45にはAMG RIDE CONTROLスポーツサスペンションが標準装備された。

記事に関わった人々

  • 吉田 匠

    Takumi Yoshida

    1947年生まれ。1971年、青学大卒業と同時に「CAR GRAPHIC」編集部に。スポーツカーの試乗記などを手掛け、FJ1600などのレースにも参戦、優勝経験数回。1985年、同社を退社、フリーランスのモータージャーナリストになる。「ポルシェ911全仕事」等、単行本多数。旧いスポーツカーに目がなく、愛車はポルシェ356B、ロータス・エランS2、他。

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