フォード・マスタング vs BMW M235i
公開 : 2016.01.06 23:50 更新 : 2017.05.29 19:30
これまでのどのモデルよりもヨーロッパにとってフレンドリーになったフォード・マスタング。果たして英国の道でも通用するのだろうか?
およそ半世紀前、英国にてフォード・マスタングを買うということはつまり、ルート66が大好きな ‘アメリカかぶれ’ であるという傾向が強かった。
ベースボールにカウボーイ、パンプキンパイ……。アメリカン・カルチャーへの入門を、強く感じさせるシンボルであったのだ。
それからかなりの時間がたった今まで、膨大な数の ‘ポニーカー’ が売れた。いわばハリウッドのステータスになったのだった。
しかし時代は変わった。先代もまた、これまでの成功体験を取り入れたにもかかわらず、大きなボディと、またたく間に減る燃料がカスタマーの眉をひそめさせた。
それだけではない。欧州の緻密な仕上げに比べると、いささかざっくばらんな出来栄えは ‘アメ車’ の域を脱せなかった。
マスタングは ‘海のむこう’ のクルマのままだったし、ハンドルの位置だって、センター・コンソールのむこう側に居座りつづけていた。
そこでフォードは、NFLをロンドン北西部でおこなったときのように、その地に適したものにすることを目指した。リア・サスを独立させたのも、そんな目的の一環だ。
マスタングが大きく進化したことは、これまでの試乗記でも掘りさげたとおり。ならばどれほど通用するのか? これこそが濃霧のピーク・ディストリクト国立公園にクルマをあつめた理由である。