ポルシェ・ボクスター・スパイダー vs マツダMX-5 vs ジャガーF-タイプR

公開 : 2016.01.09 23:50  更新 : 2017.05.29 19:30

デール・ヘッドからアオナック・イーガックまでの365kmあまりはMX-5で走ることにした。

よりスポーティなオプションのビルシュタイン製スプリングは、とても好意的な仕事をしてくれる。足元の軽さが明確にわかり、快適性を損なうことはまるでない。

160psを生みだす自然吸気の4気筒エンジンは気もちのいい音を奏でる。かといって人工的なところもなく、それがまたいい。価格はちなみに£23,295(401万円)。

予定どおりにA82道路に着いた頃には、雲間から太陽が顔を見せていた。グレンコーの道は、ドレッドノート級の雨でびっしょりと濡れていたが、淡黄色の冷えきった太陽の元だと、目を見張るほどフォトジェニック。迫りつつある水平線に高まるものがあった。

夜を徹してフォート・ウィリアムに向かった。シートに座ったままルーフを5秒で折りたたむと、やわらかな風が頬を伝う。このクルマは本当に軽やかだ。裸足でクロス・カントリーを駆けまわっている気もちになる。

地面に近い感覚。ナチュラルかつニュートラル。機械どうしが有機的に共同作業をしている感覚が常にあり、2015年にドライブしたなかでもっとも甘やかでドライバーを鼓舞するクルマだと思える。

内装は、(軽量化を試みていることが如実にあらわれていることは置いておいて)ほとんどがボクスタースパイダーのそれに引けをとらない。乗り心地も実にいい。

ベン・ネヴィス蒸溜所のあたりからさらに2〜3時間走るとステッカーに覆われた看板が見えた。カントリーロードであるアップルクロスの始まりを意味する看板だ。

ボクスター・スパイダーに乗り換えてみる。パッシブ・サスと20インチのホイールが繁茂した草と路面のジョイントを踏みにじっていく。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事