ヒュンダイ・ヴェロスター・ターボSE
公開 : 2012.10.02 15:45 更新 : 2021.02.20 18:32
■どんなクルマ?
ヒュンダイ・ヴェロスターの待望久しいパフォーマンス・バージョンは、新しい1.6T-GDIエンジンと、大幅に手を入れたシャシーを与えられた。そのツイン・スクロール・ターボチャージャー・エンジンは、ノーマル・アスピレーションに対して、33%のパワー・アップと、59%のトルク・アップを果たしている。
サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがトーショナル・ビームというレイアウトはスタンダート・モデルと変りないが、ダンピングは締め上げられている。また、評判の悪かった電動ステアリングのサポートも修正されている。また、ターボのバッジをつけるとともに、そのボディ・キットも追加されている。新しいバンパー、サイド・スカート、そしてリア・ウイングなどだが、もともとヴェスロターが個性的で強力なスタイリングを持っているため、それほど極端な差違は感じられない。
■どんな感じ?
標準的なヴェロスターは、この手の小型クーペに期待されるパフォーマンスが明らかに欠如していた。しかし、ターボは、それを補うパフォーマンスを示してくれる。新しい1.6リッターのT-GDIエンジンは184bhpのパワーを5500rpmで、27.0kg-mのトルクを1500rpmから4500rpmの間で発揮する。回転をこのピーク・トルクの間に置いておくならば、大きなツイン・テールのエグゾーストから奏でられるサウンドはいささか物足りないが、エンジン自体は非常に滑かだ。ただし、このピーク・トルク領域を越えると、エンジンは粗くなる傾向があるようだ。
ステアリングは、スタンダード・モデルのデッドで曖昧なものからすれば、大きく進歩している。しかし、ステアリングをプッシュした時、まだ繊細さに欠けるという評価だ。それでも、最もシャープなヒュンダイであることは間違いない。
最大の賞賛は、リチューンされたサスペンションだ。前後のダンピングは、路面に吸い付くようなフィーリングをもたらしてくれる。ドアミラーの発する若干の穏やかな風切り音だけが聞こえるだけで、高速走行も滑かだ。
なお、装備は豪華で、本革のスポーツ・シート、タッチスクリーンのナビゲーション・システム、ボディキット、ターボ専用18インチ・ホイールなどが標準となる。950ポンド(12万円)のオプションとはなるが、パノラミック・サンルーフも備わる。
■「買い」か?
ヒュンダイはスタンダードなヴェロスターの欠点をカバーするために、このターボ・モデルは真剣に取り組んだようで、その部分は非常に評価できる。同じような値段のつけられたヴォグゾール・アストラGTCとも対抗できるだろう。しかし、ヒュンダイがその装備で勝ったとしても、フォルクスワーゲン・シロッコのようなダイナミックな能力には不足しているのは確かだ。
ヴェロスター・ターボを選ぶ最大の決め手は、2+1の非対称ドアという面白い、そして気まぐれなルックスかもしれない。
(スチュアート・ミルン)
ヒュンダイ・ヴェロスター・ターボSE
価格 | 21,995ポンド(277万円) |
最高速度 | 214km/h |
0-100km/h加速 | 8.4秒 |
燃費 | 14.5km/l |
CO2排出量 | 157g/km |
乾燥重量 | 1313kg |
エンジン | 直列4気筒1591ccターボ |
最高出力 | 184bhp/5500rpm |
最大トルク | 27.0kg-m/1500rpm-4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |