フォルクスワーゲン・ビートル・デューン・プロトタイプ
公開 : 2016.01.14 23:50 更新 : 2017.05.29 18:57
困りものなのは、ほとんどが予想どおりである点だ。ルックスこそオフロードの走行を期待させるが、悪路に立ちむかうための機械的なアップグレードが施されていないのが理由である。
駆動方式もFFのみの設定であることから、砂地にタックルしていけるほどの体力はない。
1.8ℓガソリン・エンジンも、大きく重いビートルには力不足だと感じる。きっと英国に入ってくる際には1.2/1.4ℓのガソリン・エンジンを搭載しているだろうから物足りなく感じることは容易に予想がつく。
ただ、10mm車高が高くなったことが視界の拡大につながっていることは間違いない。リア・ベンチこそ子どもか荷物用に過ぎないがシートもまた座り心地がいい。
ステアリングは軽く、狙った舵角と実際の方向のズレは小さい。速度が増せば、違和感なく重みがついてくるのもいい。
コーナーではわずかにボディがロールし、市街地では少し乗り心地が硬く感じられるが、18インチのホイールを履いているにもかかわらず、高速域の衝撃の吸収のしかたはうまい。
基本的にはリラックスした印象であるが、ドライバーを楽しませようとする意図は汲みとれる。
ソフトトップの開閉は簡単に行なえ、リア・シートの後方にすっきりとホールドされる。もちろんこれはスタンダードなビートルと何ら変わりない。