フォード・フォーカス・エレクトリック
公開 : 2012.10.03 17:09 更新 : 2017.05.29 18:55
■どんなクルマ?
フォード最初のEVは、多くのEVユーザーが直面する課題と共に登場した。その課題とは、何よりも高価であること。航続距離が短いことの2つだ。また、そのバッテリー・スペースのために、ブート・スペースも犠牲になっている。
しかし、フォードはフォーカス・エレクトリックに、先行する日産リーフよりも優位な点を用意した。まず、そのオンボード・チャージャーが、リーフが3.3kWであるのに対し6.6kWと倍のサイズを用意した。その結果、リーフではフル充電まで7時間かかるものが、フォーカス・エレクトリックでは4時間に短縮されている。
またブレーキ回生システムもリーフよりも大きいものが用意されている。右足でブレーキ・ペダルを踏む時、リーフが作り出すよりも遥かに大きい電力が蓄えられる。ちなみに、その走行可能距離は160kmだ。
ちなみに、ドライバーの努力は、インストルメント・パネル正面のモニターに表示される。使われたエネルギー、再生させたエネルギーや、ガソリン・エンジンとの比較した節約などもコンピュータによって明らかにされる。
■どんな感じ?
フォーカスの電気モーターは、即座に143bhpのパワーと25.4kg-mのトルクを発揮する。ギアは単純で1速のみ。したがって、内燃機関のようなギアを入れたショックや、シフトチェンジの時の起こるダイブやスクウォートもない。その感覚は不思議なもので、スムーズな走りによる快適なクルージングを味わうことができる。
最高速度は135km/hに限られているものの、フォーカス・エレクトリックはスポーティな走りを披露する。51/49パーセントの前後重量配分から生まれる速く鋭いステアリングのバランスの良さは、更にその印象を強くする。実際、波打つ路面状況ではトルク・ステアを引き起こすに十分な力があるのだ。
■「買い」か?
問題はその価格だ。政府の助成金を引いても25,000ポンド(315万円)というプライスなのだ。それが、フォードがこのクルマで大きな市場を獲得しようとしない理由にほかならない。
(リチャード・ブレムナー)
フォード・フォーカス・エレクトリック
価格 | 25,000ポンド(315万円) |
最高速度 | 135km/h |
0-100km/h加速 | NA |
燃費 | NA |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 1647kg |
エンジン | 電気モーター |
最高出力 | 143bhp |
最大トルク | 25.4kg-m |
ギアボックス | 1速 |