メルセデス・ベンツCLS63AMG
公開 : 2012.10.03 18:07 更新 : 2017.05.23 16:40
■どんなクルマ?
ここ暫くのAMGの販売戦略に則って、メルセデス・ベンツCLS63 AMGシューティング・ブレークは、残りのCLSシューティング・ブレークと時期を同じにして販売がスタートする。サルーンと共有する5.5リッターのV8ツインターボを搭載した、スマートなリア・ビューを持つエステート・モデルである。
標準では、そのエンジンは518bhp、71.3kg-mのパワー、トルクだが、オプションのパフォーマンス・パッケージを選べば、そのパワー、トルクは31bhp、10.3kg−m増し、549bhp、81.6kg-mに上昇する。本国では、そのパワーを受け止めるために4WDモデルも用意されるが、英国にはRWDモデルのみが用意されることとなる。
■どんな感じ?
エステート・ボディをまとったことにより、CLS63 AMGサルーンよりも重量は85kg増した。しかし、その重量増はパフォーマンスにはほとんど影響を与えない。0-100km/hはサルーンと同じ4.3秒だ。そして、その数字が客観的に表す通り、非常に速く、強大なトルクでぐいぐいとクルマは押し出されていく。また、そのサウンドはスロットルを踏み込むと深いバリトンの大音量を発する。
英国の倍の制限速度の高速道路でも、その安定性は特別。しかもオプションの20インチのホイールを履いていても、かなりしなやかな乗り心地だ。サスペンション、ステアリング、エレクトリック・スタビリティ・コントロール・プログラムなどの調整も適切で、印象的なドライブを醸しだしてくれる。ドライビング・モードは4つのモードを選ぶことができるが、ほぼスポーツ・モードでことが足りるようだ。的確なボディ・コントロール、十分な快適性、ワインディングで楽しめる電子制御のスタビリティなどをもたらしてくれるからだ。
しかし、手放しでCLS63 AMGシューティング・ブレークを歓迎するわけではない。われわれの主な批判は、そのマルチ・クラッチを採用したMCTギアボックスに集中する。エコモードやコンフォタブル・モードの時はさしたる問題もないのだが、スポーツ・プラス・モードにした途端、シフト・チェンジのタイムラグが大きくなるのだ。それは、最近のライバル達と比較しても明らかに遅いのである。
それ以外は、CLS63 AMGシューティング・ブレークは非常に説得力のあるクルマではある。オプションのチェリー・ウッドのパネルをはじめ、クオリティも高い。ドライビング・ポジションも素晴らしいものだった。
■「買い」か?
あなたが、財政的に問題がなく、ランニング・コストもあまり考えなくてよいのであれば、CLS63 AMGシューティング・ブレークはベストなチョイスかもしれない。それだけのパフォーマンスとスタイリングを持ち合わせているモデルだ。
(グレック・ケーブル)
メルセデス・ベンツCLS63AMG
価格 | 83,030ポンド(1,047万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 4.3秒 |
燃費 | 9.9km/l |
CO2排出量 | 235g/km |
乾燥重量 | 1880kg |
エンジン | V8 5461ccツインターボ |
最高出力 | 549bhp/5250rpm |
最大トルク | 81.6kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 7速オートマティック |