アウディA1 e-トロン
公開 : 2012.10.04 16:11 更新 : 2017.05.29 18:18
■どんなクルマ?
セカンド・ジェネレーションとなったアウディA1 e-トロンのコンセプト・モデルで、走行可能距離とプラグイン・ハイブリッドを持つモデルである。
アウディは2010年に最初のe-トロンのコンセプト・カーを発表した。それは、75kWの小さな電気モーターを持ち、小さなバッテリー・パックで48kmの走行可能距離を持つものだった。電気モーターは、254ccのヴァンケル・ローター・エンジンによってサポートされ、それを加えると、193kmの走行を可能としていた。
このセカンド・ジェネレーションのA1 e-トロンは、シボレー・ボルトのような走行可能距離を可能とし、更にプリウスのようなプラグイン・ハイブリッドを持ち合わせたモデルとなっている。搭載されるエンジンは、1.5リッターの3気筒で、それ自体は128bhp、20.3kg-mのパワー、トルクを持つ。これに67bhp、21.4kg-mの電気モーターが組み合わせられる。また、リアには115bhp、25.4kg-mのパワー、トルクをもつ電気モーターも搭載される。
A1 e-トロンは、54km/hまではモーターのみで駆動され、その走行可能距離は90kmに達する。純粋な電気モードで、130km/hまで出すことが可能だが、54km/hを越えるとクラッチが直接エンジンからの駆動も許すことになる。この場合、電気モーターは、燃料消費を少なくし、加速をバックアップする役割を持つ。そして、130km/hを超えると、エンジンがその駆動の全てとなる。
■どんな感じ?
アウディのエンジニアが言うところの、開発前段階というプロトタイプに試乗する機会に恵まれたが、その印象は驚くほど洗練されているということだった。A1 e-トロンは、一般に生産されているA1と全く同じで、バッテリーのためにトランク・スペースが犠牲になるなどということもない。
ドライブにギア・レバーを入れれば、e-トロンは継ぎ目のない加速をトルクフルなモーターが醸し出す。54km/hを越えると、新しい3気筒エンジンの出番となるが、ドライバーがそれに気づくことはない。
公式にはe-トロンは0-100km/h加速が9秒と好評されているが、実際にはそれより速いと感じる。エンジンとモーターの組み合わせは、見かけと違って速く、印象的に滑らかで、優雅に走る。アウディの新しいフロント・ドライブ・ハイブリッドは、現段階でされ、プリウスのハイブリッドよりも優れた印象で、ボルトよりも走行可能距離は長い。最も印象的なのは、そのシステムが比較的単純なことで、これは実際に販売される時点での価格に反映されることになろう。
■「買い」か?
短い試乗の上でいうならば買いである。この新しいハイブリッド・システムが生産モデルの本命となるかはアウディは明らかにしていない。しかし、それでも既存のハイブリッド・システムよりも優れているように見える。シボレー・ボルトよりも走行距離が長く、プリウスのCVTのような複雑さも持っていない。
ディーゼル・エンジンと電気モーター、そしてDSGギアボックスを組み合わせた従来のハイブリッド・モデルは、新しいゴルフに採用され登場することになっているが、この新しく安価なハイブリッドは、2015年に登場する新世代のポロ・ファミリーに搭載されるかもしれない。
(ヒルトン・ホロウェイ)
アウディA1 e-トロン
価格 | NA |
最高速度 | NA |
0-100km/h加速 | 9.0秒 |
燃費 | 19.8km/l |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | NA |
エンジン | 直列3気筒1.5リッター + 電気モーター |
最高出力 | 128bhp + 67bhp(第1モーター) + 115bhp(第2モーター) |
最大トルク | 20.3kg-m + 21.4kg-m(第1モーター) + 25.4kg-m(第2モーター) |
ギアボックス | シングル・スピード |