トヨタ・プリウス

公開 : 2016.01.18 23:30  更新 : 2021.10.11 08:58

■どんなクルマ?

今さら説明の必要もないトヨタの最重要モデルたるハイブリッドカー、プリウスが4代目に変わった。Eという燃費追及仕様の場合、JC08モードで40.8km/ℓと先代よりさらに燃費を向上させたことも話題のひとつだが、実は4代目の真のトピックは別のところにある。

燃費は間違いなくいいんだけど、運転する愉しさが感じられない、というのがこれまでのプリウスに対するクルマ好きからの一般的な評価だったはずだが、トヨタは4代目に至ってそこにメスを入れた。ドライビングの愉しいプリウスをつくろうとした、というのだ。

そのためにトヨタが採った方法が、プラットフォームの一新だった。これまでより重心が低く、高剛性で、乗り心地にも優れた、TNGA=Toyota New Global Architectureと呼ばれるプラットフォームを新開発、それを逸早く4代目プリウスに採用したのである。

具体的には、先代と比べてフロア高を10㎜、全高を20㎜、運転席のヒップポイントを59㎜下げると同時に、パワートレーンの搭載位置や荷室フロアも低下させて、重心高をおよそ20㎜下げることに成功。さらに、これまでトーションビームの半独立だったリア・サスペンションを、ダブル・ウィッシュボーンの完全な独立懸架に一新している。

その一方、パワートレーンの基本は従来型を踏襲、1.8ℓエンジンを改良するとともに、ハイブリッド・システムの小型軽量化と高効率化を図り、E仕様で40.8km/ℓ、その他のFWD=前輪駆動モデルで37.2km/ℓ、4WDで34.0km/ℓというJC08燃費を実現している。

で、そういった内容の変化を可視化したのが、基本的なフォルムは従来型を受け継ぎつつも、先代より大胆なスタイリングを纏ったボディで、2700㎜のホイールベースは不変ながら、先代比で全長+60㎜、全幅+15㎜、全高−20㎜というサイズを持つ。

記事に関わった人々

  • 吉田 匠

    Takumi Yoshida

    1947年生まれ。1971年、青学大卒業と同時に「CAR GRAPHIC」編集部に。スポーツカーの試乗記などを手掛け、FJ1600などのレースにも参戦、優勝経験数回。1985年、同社を退社、フリーランスのモータージャーナリストになる。「ポルシェ911全仕事」等、単行本多数。旧いスポーツカーに目がなく、愛車はポルシェ356B、ロータス・エランS2、他。

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