マツダCX-3 XDツーリング

公開 : 2016.01.18 23:50  更新 : 2022.12.12 21:29

  • 乗り心地の良し悪しは、上下動より前後の揺れが大きく影響する。リアのつきあげ感を減らすために、前後ダンパー構造に手を入れピッチングを抑えた。

  • 目指したのは、人が歩行するときのような滑らかな上下動。「きれいなGが続くのが理想」とマツダの操安性能のキーマン、虫谷氏。

  • 試乗した4駆は構造上、剛性が2駆よりも高い。マイチェンによる乗り心地向上部分は、FFの方が体感しやすいという声もある。

BMWボルボなど、ヨーロッパ・メーカーのディーゼルより軽やかなのが印象的だ。全車標準装備となったナチュラル・サウンド・スムーザーなる仕掛けが効いているのか、ディーゼルノック音が気にならない。ピストンピンに組み入れられたダンパーが振動を打ち消すように共振する、というメカニズムである。

ただし、CX-3は所詮Bセグなので、静かなクルマではない。もちろん路面にもよるけれど、ロード・ノイズがけっこう入ってくる。1.5ℓという小さな排気量なので、マニュアルでのスタート・ダッシュはやっぱりラグがあるし、回すとうるさい。生活感あふれるBセグメントなのだから当たり前だ。

乗り心地に関しては、4WDのせいか、新旧の差がわかりにくい。旧もそんなに悪くないのだ。これは旧型の走行距離が8000km超えであったのに対して、新型は1000km程度に過ぎず、足回りがなじんでいなかったことも影響していると思われる。

この日の試乗で最も好印象だったのは、比較車両ナシながら、チョイ乗りしたFF、6AT、16インチ仕様のCX-3である。オートマティックとターボの相性は昔からいいと言われる。トルコンがラグを消してくれるからだ。ディーゼル特有のドバッといきなりトルクが立ち上がる感がないのがマツダのディーゼルの特徴のひとつで、それゆえディーゼルらしからぬスムーズで穏やかな運転感覚がある。

乗り心地はまろやかで、旧型との比較による改善ぶりは不明ながら、4WDのMTは新旧ともに18インチ仕様だったこともあって、その差は歴然としている。まろやかなのがお好きな人は16インチに限る。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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