ポルシェ911カレラ4S PDK
公開 : 2016.01.21 23:40 更新 : 2017.05.29 19:04
スポーツ・クロノ・パッケージを選べば、ダンパーやスロットル・マッピングを調整できるのは従来のとおりだが、今回よりステアリング上のダイアルを回し、‘ノーマル’、‘スポーツ’、‘スポーツ・プラス’、‘インディビジュアル’ の4モードを選べるようにもなった。
このスポーツ・クロノを選び、さらに7速のPDKにしたならば ‘スポーツ・レスポンス’ ボタンも加えられる。作動時、20秒間、最大加速を得られるというものだ。
インテリアのアップデートは後輪駆動の911と同じ。よってPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント)マルチメディア・システムが加わる。大型の7.0インチ・タッチスクリーンはアップル・カープレイやアンドロイド・オートに対応し、これもまた英国では標準の装備となっている。
■どんな感じ?
あらたに追加されたターボ・エンジンのおかげでパフォーマンスはもちろんのこと、本質的な楽しさも底あげされている。多板クラッチと電制のトルク・ベクトリング・デフのおかげでコンディションに左右されない信頼性を確保していることもよくわかる。
サーキット、空いた公道では、先に公開されたカレラと変わらぬクイックさと敏捷性を感じる。4WDらしいドッシリとした構えももちろんあり、245/35(前)と305/30(後)のタイヤも終わりの見えぬグリップを引きだす。
それぞれのホイールの反応も素早い。即座にトラクションが立ちあがる様は、先代とは異なる。このありがたみは日々の使用でも感じられるはずだ。
オプションのスポーツ・クロノ・パッケージと7速のPDKを選んだ場合、ローンチ・コントロールを立ちあげた際の0-100km/h加速は3.8秒をマーク。カレラSより0.1秒速いことになる。50kgも重くなっているにもかかわらず、である。いうまでもなく良好な結果だ。最高速度も306km/hまで引きあげられている。
経済性は12%向上しており、PDKのモデルだと燃料消費率は12.7km/ℓ、CO2排出量は180g/kmとなる。
■「買い」か?
すでに数々のモデルをテストしてきたが、なかでもカレラSが、もっとも汎用性の高いモデルだと断言する。ターボと最新の4WDシステムの相性もいい。もちろんパフォーマンスも群を抜いているし、天候にも左右されない。質感を大事にするカスタマーにも響くはずだ。
エンスージァストに言わせてみれば、RRの911ならではの純潔さに欠けるということになるかもしれないが、毎日乗ってもつまらないなどと感じることは一切ない。ハイテク満載のアンダーピニングのもたらす精緻な感覚もたまらない。RRとの差を感じるとしたら、限界までもっていった際のほんの一瞬のできごとである。そこまでドライブできるならば話は別なのだが。
(グレッグ・ケーブル)
ポルシェ911カレラ4S PDK
価格 | £93,231(1,552万円) |
最高速度 | 303km/h |
0-100km/h加速 | 3.8秒 |
燃費 | 12.7km/ℓ |
CO2排出量 | 180g/km |
乾燥重量 | 1565kg |
エンジン | 水平対向6気筒2981ccツイン・ターボ |
最高出力 | 420ps/6500rpm |
最大トルク | 51.0kg-m/1700-5000rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |
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