BMW 330d ツーリング・ラグジュアリー
公開 : 2012.10.05 18:51 更新 : 2017.05.29 18:00
■どんなクルマ?
第6世代のBMW 3シリーズ・ツーリング・ワゴンのうち、6気筒ディーゼルの330dに乗る機会を得た。英国では、この330dの他に、181bhpの32id、242bhpの328iがラインナップされ、114bhpの316d、141bhpの318d、181bhpの320iも追って加えられることになっている。
■どんな感じ?
オプションの集計が車両価格を1/3ほど跳ね上げてしまった結果、われわれのテストした330dラグジュアリーは37,200ポンド(472万円)という価格だった。ちなみに、このモデルはトップ・モデルの一つ下というグレードになる。
電気解錠トランク、セパレート・オープン・リア・ウインドー、40:20:40分割可倒式リア・シート、フロントとリアのパーキング・センサーなどが装備されている。更に、リア・ビュー・カメラ、ルーフ・レール、ストレージ・ネットなども付けられている。更に700ポンド(8.8万円)のオプションとなるが、エレクトリック・トウバーは有用なオプションだ。
エンジン・パワーは530dと同じ254bhp/4000rpmで、それは先代の330dよりも12bhp多い数値だ。また、トルクも4.0kg-大きい数値を250rpm低い1500rpmから3000rpmの間で発生する。8速オートマチックは、先代よりも2速増えたにも関わらず、重さは10kg軽減されている。そして、パフォーマンスと燃費は著しく向上している。0-100km/h加速は0.7秒短縮され5.6秒になり、燃費も15.9km/lとなった。また、CO2排出量は165g/kmから135g/kmと大幅にアップしている。これにはアイドリング・ストップの恩恵によるところも大きい。
しかし、このアイドリング・ストップは、一旦ストップしてからスタートする場合、やたらとシミーが起きるもので、あまり良い印象はない。
クルージング時には、エンジン・サウンドはかろうじて聞き取れるぐらいで、18インチのランフラット・タイヤの立てる音の方が大きい。激しい雨の中でもキャビンは本当に静かで、ウッドとレザーで設えれた贅沢な空間を楽しむことができる。また、ブレーキの効きも十分で、安心して踏むことができた。
ツイン・スクロール・ターボのタイムラグは最小限で、印象的なスロットル・レスポンスを提供してくれる。8速のオートマティック・トランスミッションと組み合わせられたそのエンジンのスムーズさは328iよりも上かもしれないほどだ。同様に、バリアブル・ウエイト(標準)とバリアブル・レシオ(オプション)の電子制御ステアリングは、感心するほど忠実なものだった。
湿った状況では全力のスタートではホイール・スピンを起こしてしまったものの、ツイスティな2級国道でもそのグリップはしっかりしていた。ツーリングのリア・サスペンションは丈夫なセットアップがされているが、更に750ポンド(9.5万円)のオプションとなる可変ダンパーを装着すれば、185kg軽い320dサルーンと同様の横方向のコントロールがしっかりとなされるのも嬉しいところだ。
もちろん、通常であればその乗り心地は素晴らしいもので、シャープなバンプであってもそれをドライバーに伝えることはない。
■「買い」か?
われわれが今年テストをしたサルーンに与えた5ツ星の評価は、この3シリーズ・ツーリングにも引き継いで良いだろう。しかし、330dがパーフェクトかといえば、そうではない。ひとつは西ロンドンとパリの間で記録した13.0km/lという思いの外悪かった燃費、そしてもうひとつは6フィード2インチ(187cm)のリアの住人にとって、ニースペースが足りなかったことだ。
(リチャード・ウェバー)
BMW 330d ツーリング・ラグジュアリー
価格 | 37,200ポンド(472万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 5.6秒 |
燃費 | 19.6km/l |
CO2排出量 | 135g/km |
乾燥重量 | 1680kg |
エンジン | 直列6気筒2998ccツインターボ・ディーゼル |
最高出力 | 254bhp/4000rpm |
最大トルク | 57.0kg-m/1500rpm-3000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |