ケータハム・セブン620S
公開 : 2016.01.26 23:50 更新 : 2017.05.29 18:33
一方の2.0ℓのフォード・デュラテックは620Rと同じだから、音はけたたましいし、低回転ではエンストしないようにいつも気をつかう。
しかし5速マニュアルが、どこかアットホームな気分にしてくれる。30.3kg-mのトルクと610kgの重量で水の中を泳ぐ小魚のようにスイスイと進む。
ソフトになったサスペンションのおかげで、気がつけば峠道を探している始末である。
音はあたりに反響する。まぁゴルフ・クラブをもってどこかに行くわけじゃないんだからいいか。アクセルの反応はまるでエンジンを直接踏んでいるかのように鋭い。気をつけなければ3速でもリアはスピンしてしまう。
シーケンシャルの620Rに比べると、クラッチとギアレバーを操作しなければならないため0-97km/hタイムは3.5秒短くなった。しかしそれでも3.4秒。体感的なタイムは変わらない。
サーキットではシーケンシャルの方がいいかもしれないが、シフト操作はドライビングを誠にドラマティックにする。柔和なシャシーと相まって「俺はいま運転している!」という喜びがある。