スマート・フォーツー・カブリオ90
公開 : 2016.01.29 23:50 更新 : 2017.05.29 18:43
ターボチャージャーのもたらす加速感は、小さな911ターボといってもいいほどであり、巡航時、エンジンがひっそりと静まりかえっているのもいい。
エンジンとギアボックスの相性もいい。低回転域におけるトルクの引きだし方がうまいのはギアボックスの賢いソフトウェアのおかげである。
ノーマル・モードの ‘セルフ減速’ の仕方もうまく、スポーツ・モードでは動作がよりクイックになる。
2名の大人が乗車した状態でも、静止状態からの加速は見事。スタンダードなフォーツーよりも40〜55kg重い995kgであるにも関わらず、鈍さは皆無だ。
素早い変速とかなり小ぢんまりとしたホイールベース、さらには比較的なクイックなステアリングのおかげで、緊張感がある。すこし神経質ささえある。
しかし、オーナーのうち95%がシティ・ユースだから、あまり問題ではない。軽くクイックかつ、7mを切る回転直径であることから、むしろ身軽さの方が光る。
ただ、プロキシーに最初から備えつけられるスポーツ・サスペンションは快適とはいえない。悪路を低速で走る場合、かなり忙しないうえ、前輪が衝撃を受けてから後輪も同じ衝撃を受けるまでの時間が当然かなり短い。
一方室内スペースは2名の大人にとって悪くない。前方の視界も開けている。それだけにステアリング・ホイールと運転席の高さ調整がオプションでしかできないのはもったいない。後方視界の悪さはカブリオならではだ。