スマート・フォーツー・カブリオ90

公開 : 2016.01.29 23:50  更新 : 2017.05.29 18:43

ルーフを閉じた状態の荷室容量は340ℓ、開いた状態は260ℓというのが公表値であるが、形が歪であるため荷物の収容力はあまり高くない。

キャビンに用いるパーツどうしの剛性感はたかく、つやのあるプラスティックとファブリック地の融合はスマートらしくユニークだが、ルノーのスイッチがそこかしこにあるなど、安っぽい印象は拭えない。

£795(14万円)のプレミアム・パックの一環として、7.0インチのメディア・システムを採用していたが、スマートフォンをクレードルにセットできる標準の装備の方がおすすめ。

オプションのシステムはトゥインゴのそれと同じなのだが、反応の鈍さと動作の遅いナビが評価の足を引っぱっている。スマホでグーグル・マップを開く方がいい。

いづれにしてもブルートゥース、AUX/USB接続、マルチ・ファンクション・ステアリング、オート・エアコン、15インチ・アロイ・ホイール、電動ウインドウ、LEDデイライトなどすべては標準となる。

■「買い」か?

どのグレードでも燃費は21.2km/ℓを超えると公表されており、CO2エミッションは100g/kmを切るが、高いお金を払って、プアな乗り心地を手にするくらいならば、パッション・グレードを推す。この方が価格は安いし、足元もやわらかい。何より厚みのあるタイヤを履いているのだ。

もっと言うなら、もう少し待ってオートマティックよりもマニュアルを選んで、小気味よく市街地を走りたい。

ライバルに比べてどうか? もっと安く実用的なフィアット500Cか? プジョー108トップか? 正直に申しあげて、乗り心地は負けている。では、スマートを買う決定的な理由は何なのだろう? と考える。それはきっと、スマートがスマートであり、他とはちょっと違ったクルマだからだろう。

そう考えると、わずか2.7m程度の全長と2つだけのシートは、途端に存在の強さを放ちだす。他と比べると、コンサバティブな考えを強いられるが、スマート単体をみると、以前よりも商品力が増したリジナリティあふれるクルマだと感じる。

(ローリー・ホワイト)

スマート・フォーツー・カブリオ90プロキシ・ツイナミック

価格 £15,550(265万円)
最高速度 154km/h
0-100km/h加速 11.7秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 97g/km
乾燥重量 995kg
エンジン 直列3気筒898ccターボ
最高出力 90ps/5500rpm
最大トルク 13.8kg-m/2500rpm
ギアボックス 6速デュアル・クラッチ


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