トヨタとダイハツは今年8月を予定している株式交換によるダイハツの完全子会社化について合意した。双方の取締役会決議として株式交換契約締結が1月29日になされ、ダイハツは7月27日に上場廃止、そして8月1日を株式交換の実施予定日としている。

合意内容は、その目的として「トヨタとダイハツは、共通の戦略のもと、両社の技術・ノウハウや事業基盤を融合することで両ブランドの特色を活かした魅力的でグローバルに競争力のある商品を展開する。」としている。

また、協業の内容としては、トヨタ・ブランド、ダイハツ・ブランドの差別化を進め、それぞれのお客様にとって最適な商品ラインナップを拡充し、また、ダイハツが主体となって、これまで培った現地のお客様目線に立ったクルマづくりや、軽自動車を基盤・基点とした商品企画・技術開発のノウハウ・プロセスをさらに進化させ、小型車領域での両ブランドの商品を開発するという「小型車戦略」。技術戦略を初期構想の段階から共有し、トヨタは環境・安全・安心・快適技術面での技術開発を進め、ダイハツはパッケージング力、低コスト技術、低燃費技術に加え、先進技術の低コスト化・コンパクト化を推進。また、ダイハツ独自のクルマづくりのノウハウをトヨタグループ内で共有、上位車種でのコスト競争力にも貢献という「技術戦略」。そして、新興国市場においては、それぞれの事業基盤を活用しあい、ダイハツが主体となって、開発・調達・生産といったモノづくりをスピーディーかつ効率的に推進。国内事業では、トヨタの販売のノウハウやインフラも相互活用し、ダイハツブランド力向上と収益力の両立を図るという「事業戦略」が打ち出された。

トヨタの豊田社長は、「お互いがこだわりを捨てて、任せるところは任せ、それぞれが得意分野を全力で伸ばしていく、すなわち“選択と集中”、それこそがグローバル競争を勝ち抜いていくための鍵になる。」とコメント。

ダイハツの三井社長は、「次の100年に向けた成長の道筋を描く事ができた。トヨタとの関係をより強固にすることで、今後のダイハツの成長、そして『ダイハツ・ブランドの世界基準への進化』に踏み出していきたい。」とコメントしている。