フォルクスワーゲン・カラベル
公開 : 2016.01.30 23:50 更新 : 2017.05.29 18:57
■プロローグ
“カラベルがインスピレーションを受けたのは、他のどのライバルでもなく1950年生まれのタイプ2だ” ― マット・ソーンダース (ロードテスト編集補佐)
多くの自動車メーカーがSUVづくりに躍起になっているなか、7つのシートが鎮座したラグジュアリー・ワンボックスをつくるメーカーはめずらしい。
今回のロード・テストの主役はフォルクスワーゲン・カラベル。祖先は1950年のフォルクスワーゲン・タイプ2まで遡る。
もう1台のパイオニア的存在であるシトロエンHバンとともに連綿とつづく上流階級の ‘はたらき者’ として有益な存在でありつづけてきたクルマだ。
貨物を優先させる ‘トランスポルター’、乗用車としての ‘カラベル’、上級モデルの ‘マルチバン’、キャンプに使う ‘カリフォルニア’ の4本の柱で構成される現行モデルではあるが、商用車ベースのカラベルでさえ快適性の向上にかなり力を入れている。
トランスポルターよりもパワフルなエンジンを搭載。さらに4WDやオートマティックを採用している。カラベルが60年以上、技術面で他グレードをリードしてきた証明にもなっている。
アクティブ・セーフティやマルチメディア・システムを組み合わせ、ディーゼル・エンジンはユーロ6に対応。フル・レザーかつ柔軟性のたかいシート、広々とした室内も特徴だ。
そこで気になるのは£40,000(684万円)程度まで拡大しつつある7シーター・カテゴリーで十分に通用するレベルにあるのかという点。
‘ワーゲン・バス’ のように人々のライフスタイルを変えるほどの影響力をもつか? それとも単なるデキの悪いクルマにおわるか? 早速見てみよう。