フォルクスワーゲン・カラベル
公開 : 2016.01.30 23:50 更新 : 2017.05.29 18:57
■特徴
“先代のカラベルは、モノコック構造に横置きエンジン、FFの駆動方式を採用。いわばこのカタチのクルマのパイオニアだった。” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)
英国では先代同様、ロング・ホイールベース(7座)とレギュラー・タイプ、さらにはトランスポルター・シャトルと呼ばれるミニバス・タイプ(9座)を選べる。
パッケージングが重要であるため、見た目など二の次なのだろうと思ってしまいがちだが、実際のところ、外観はソリッド。引き締まった空気を放っている。
オーダーする際は、乗用車を買うというよりもむしろ商用バンをカスタマイズするという感覚にちかい。シートの自由度など、しかしこれは、カラベルの全体の柔軟性を考えると氷山の一角にすぎない……ともいえる。
標準のホイールベースの場合、2列めと3列めを倒せば、収容容量は4000ℓまで広がる。
全長は5.0m未満、ミラー抜きの全幅が1.9mというディメンションを考えるとヴォグゾール・インシグニアのワゴンと変わらない。
全高も2mを切る。英国の典型的な1台枠のガレージを考慮すると “大きすぎる” とは感じないだろう。
モノコック構造と独立式のテレスコピック・フロント・サスペンション、2.0ℓのディーゼルの組み合わせもまた、乗用車らしさを感じさせる。
ちなみにスタンダードなディーゼルは150ps、ツイン・ターボは204psを発揮する。リア・サスペンションは独立式(コイル・スプリングと負荷感応型のショック・アブソーバー)となる。
204psのショート・ホイールベースのテスト車の乾燥重量は2.4トンをわずかに切り、比較的期待がもてそうだが、大型7シーターとしては少し重め。
借りだしたモデルはFFであり、トランスミッションはMTであったが、ハルデックスをベースとした4WDと7速DSGトランスミッションも用意される。
さらに機械式のLSDをリアに備え、より長さのあるスプリングやヘビーな使用にも耐えうるショック・アブソーバー、坂道発進補助システムもリストに加えられる。
オンロードでの安定したハンドリングをさらに求めるのならば ‘ダイナミック・サスペンション’ も選べる。基準車よりも車高は20mm下がり、可変ダンパーにスワップされる。テスト車は選択済みであった。
内装と同じくメカニカルな部分の選択肢も幅広いというわけだ。これは魅力といってよかろう。