マツダ・ロードスター in 鹿児島

公開 : 2016.02.07 23:50  更新 : 2017.05.29 19:13

そして、この「S」の存在にこそ、マツダが考えるスポーツカーというものが表れていると感じる。

スポーツカーを表すときに、よく靴に例えて話題にあがることがある。サルーンが革靴、SUVがワークブーツなどとするなら、スポーツカーとはなんでしょうか?と。限定された競技場で最高の性能を発揮するスパイクか、使用者にとって軽快で思いのままに走ることのできるランニングシューズか、あるいはもっと気軽に走りだすことにできるスポーツサンダルか。

ロードスターが体現している「スポーツ」は、まさにランニングシューズなのである。絶対的な性能ではスパイクにはかなわないけれど、足を通すだけで心地よく、普段よりちょっと早く走れそうに感じる魔法の靴。そしてときには、サンダルのように素足で履いて、街やビーチへ連れ出すこともできてしまう。そんな普段使いのスポーツカーこそロードスターの価値であり、なかでも「S」はロードスターらしさを象徴するモデルなのである。

そんなことを思いながらロードスターを走らせていると、鹿児島の街がぐっと色鮮やかに見えてきた。オープンカーとそうでないクルマとの決定的な違いは、運転手が車外の空気に触れる量だ。サイドウインドウを上げれば風の巻き込みは減るとはいえ、オープン走行では1月の冷風がダイレクトに身体に向かってくる。

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