マツダ6サルーン・スポーツナビ2.2 スカイアクティブ-D
公開 : 2012.10.10 13:12 更新 : 2017.05.29 19:13
■どんなクルマ?
ひとつ前のマツダ6は、そのスポーティなドライビング・クオリティと特徴的なスタイルで多くのファンを持ったクルマだった。
新しいマツダ6は、その魅力を引き継ぐと共に、CX-5に続いてボディ重量を削減し燃料消費率を向上したスカイアクティブ・テクノロジーを導入したサルーンである。後方へ100mmずらされたAピラー、威嚇するようにシャープになったノーズを特徴とするマツダ6は、長いボンネットとファストバック・スタイルのリアを持つ。確かにそれは特徴的なスタイリングではあるが、コンセプトカー、タケリの”魂動”の持つ一部のディテールが、生産モデルに翻訳されることによって失われたのは残念だ。
それでも、マツダはフォード・モンデオ2.0TDCiよりも100kgも軽く仕上げてきたのは、高張力鋼板によるボディ構成と、長期間にわたるテストの結果が実を結んだと言える。
■どんな感じ?
ソフト・タッチなプラスティックが多く使用されており、気持ちのよいコクピットを作り出している。とはいうものの、そのデザインは、所々で破綻を来してしまっているような感じはある。書体とカラーがバラバラなディスプレイは気持よくないし、あまり使わないスイッチのレイアウトは明らかにランダム過ぎるのだ。また、ナビゲーション・システムも洗練度が低い。
それでも、ドライビング・ポジションはよく、そのアーチを描いたルーフラインによるヘッド・クリアランスも大きく、ニースペースも十分だ。
新しいマツダ6をドライビングして最初に感動するのは、MX-5のような短く決まるメカニカル・ギア・レバー・アクションだ。標準の19インチ・ホイールがもたらす乗り心地は、スポーティに振られているためか、やや固いセッティングがされている。しかし、ステアリングがこのスポーティなセットにはマッチしていないのが残念なところ。ターンインではリアルな重さが感じられないし、ストレートでもデッドな感覚がある。
マツダ6は、総じてそのシャシー・パフォーマンスが高いのに、運転していて愉しくないというのが残念でならない。この点から、フォード・モンデオを選ぶ人がいても不思議ではない。また、その安定した乗り心地が、英国の凹凸の激しい道でどのようになるかは未だ不明だ。
スカイアクティブの2.2リッター・ディーゼル・エンジンのエントリー・バージョンである148bhpユニットは、14:1というディーゼルとしては異常に低いコンプレッション・レシオを持つ。暖まってしまえば、非常に線形の太い38.7kg-mのトルクを提供してくれる。ちなみに、マツダ6には、42.9kg-mを発揮する173bhpバージョンも用意されている。
■「買い」か?
恐らく買いだ。24.4km/lの燃費と108g/kmのCO2排出量は、ライバルとなるモンデオ2.0TDCiの18.9km/l、129g.kmという値よりも優れ、それは自動車税においては2ランクも低くなる。この値は、BMW 320d エフィシエント・ダイナミクスの24.4km/l、109g/kmとほぼ同じ値である。
しかもマツダ6は、来年4月には、ファイナル・ギアレシオとタイヤの変更、そしてECUのリファインなどによって、25.6km/l、104g/kmにまで挙げたエンジンを搭載する予定だ。
また、われわれがドライブしたスポーツ・トリムのモデルは、装備は豪華ではあったものの、それはほぼ同じ装備をしたフォード・モンデオよりも900ポンド(11万円)高いのではあるが。
(アダム・トウラー)
マツダ6サルーン・スポーツナビ2.2 スカイアクティブ-D
価格 | 25,595ポンド(320万円) |
最高速度 | 210km/h |
0-100km/h加速 | 9.0秒 |
燃費 | 24.4km/l |
CO2排出量 | 108g/km |
乾燥重量 | 1480kg |
エンジン | 直列4気筒2191ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 148bhp/4500rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |