フォルクスワーゲン、全く新しいEVモデルの開発に着手
公開 : 2016.02.10 22:20 更新 : 2017.06.01 01:38
フォルクスワーゲンの主要なエンジニアに、フォルクスワーゲンのCEO、ハーバート・ディエスからゴルフと同じぐらい重要なアイコンとなるEVの開発に着手するように号令が下ったという。
AUTOCARが掴んだ情報によれば、エミッション・スキャンダルで評判を落としたフォルクスワーゲンの起死回生の策として準備されるというもので、BMW i3で使用した数十億ポンド(数千億円)という単位の投資が予定されている。
ディエスは「デジタル時代のフォルクスワーゲン」を作るようにエンジニアリングの責任者に指示をしたという。そして、フォルクスワーゲンのブランシュヴァイク研究開発では既にその開発がスタートしている模様。とりあえず、2019年のリリースを予定している。
ディエスの指示は、エレクトリック・パフォーマンス、コネクティビリティ、インフォテインメント・システムという3つの事項についてフォルクスワーゲンの新たなベンチマークとなるモデルを作製するということだ。
すでに選ばれたエンジニアリング・チームは、新しいゼロ・エミッション・モデルのパッケージングを開始している。伝えられるところによれば、全長は4400mm。これはゴルフの4255mmに近いサイズだ。
この新しいEVは、平均的なドライバーが普通に購入できる価格で、しかも最新の技術を満載したモデルであるという。そのベースとなるアーキテクチャーはラスベガスのCESで公開されたBudd-e MPVコンセプトで初めて明らかにされたMEBを使用する。このアーキテクチャーの採用によって、ボディ・デザイン、インテリア・デザイン、インテリア・パッケージング、そしてドライブ・キャラクターが劇的に変化するとしている。通常のクルマに較べて、非常に小さい接地面積、敏捷性、コネクティビティを持ち、広々としたインテリアを持つというのだ。
更に、フォルクスワーゲンは、コンパクトな電気モーターと高性能バッテリーの搭載を考えているという。2018年に登場予定の次世代のeゴルフは300kmの航続距離を目標としているが、この新しいEVは500kmの航続距離を目標としている。
フォルクスワーゲン・グループのCEO、マティアス・ミューラーは、2020年までに20のEVおよびプラグイン・ハイブリッドをグループとして生産するとしている。
ミューラーは「現在の危機を、うまく利用してグループの再編をしていたいと考えている。新しくより良いフォルクスワーゲンを構築する機会とも捉えている。」とコメントしている。
今まで、フォルクスワーゲンはXL1を除けば、EVはゴルフのように既存モデルの1グレードとして考えていた。事実、エミッション・スキャンダルが公になる前までは、フォルクスワーゲンはEVには用心深いアプローチをしていたのだ。