スズキ・アルト・ワークス
公開 : 2016.02.15 23:55 更新 : 2017.05.29 18:41
「今、ワークスを作るとどうなるか。それを示したかった」ーー開発陣がそう腹を括った5代目アルト・ワークス、箱根を走る。
■どんなクルマ?
スズキ・アルト・ワークス。1987年に、軽初のDOHCターボエンジンとフルタイム4WDを搭載して登場したアルトの高性能バージョンで、当時の全日本ラリーやダートトライアルでも活躍、スズキの軽自動車のスポーツイメージを上げた立役者でもあった。
そのアルト・ワークスの5代目に当たる新型が、去年の暮れに発売された。ベースはもちろん現行アルト、それもターボRSである。一昨年12月に発売されたアルトに高性能モデルとしてターボRSが加わったのが去年3月のこと。それを目にした古くからのスズキファン、あるいはワークスファンから、ワークス復活を望む声があがったのだという。
ならば、ということでスズキの開発陣が行動を開始、9カ月に満たない開発期間で発表・発売に漕ぎ着けたのが新型ワークスだった。それはターボRSとはいくつかの点で異なるクルマだが、その最大のポイントは3ペダルの5段MTの採用にある。
なぜならターボRSには、5段MTをベースに電動油圧アクチュエーターを加えて自動変速を可能にした2ペダルギアボックス、AGS=オートギアシフトの設定しかなかった。それを知った多くのワークスファンが、3ペダルMTの復活を求めたのだという。
そこでまず、繋がりのいいギアシフトを実現するために、1~4速のギア比を接近させるクロースレシオ化が図られた。それに加えて、操作感のいいギアシフトを実現するための手段としてシフトストロークが短縮され、シフトノブ位置も最適化された。と同時に、MTと併売されるAGSにもワークス専用チューニングが施された。