BMW M2
公開 : 2016.02.17 23:50 更新 : 2017.05.23 10:24
M2専用のメーター上のグラフィックやレザー巻きのMスポーツ・ステアリング、Mスポーツ・シート(サイド・サポートは調整可)、アルミ製フット・レスト、ニーパッドなどやはりインテリアも変わっている。
環境は良好。低くセットされたドライバーズ・シートやマルチ・ファンクション・ステアリングは、‘速いクルマに乗っている’ という意識を自然に掻きたてる。
背の高いドライバー/パッセンジャーにとってスペースはたっぷりと確保されている。当然後席へのアクセスはしづらいが、いざ座ってしまえば2名の大人が十分に座ることができる。
ただ、価格を考えるとインテリアの質感にはがっかりだ。脆いプラスティックがダッシュボードを支配しており、センター・コンソールもはっきりいってチープ。Mの名を使用するのであれば、もっと洗練されたマテリアルを期待するのは当然であろう。
しかしそんな不満も、エンジンをかけてしまえば吹っ飛んでしまう。あまりになめらかに回るエンジンに酔いしれる。低〜中回転域の、軽やかながら密度の濃い回転フィールを気持ちがいいといわずに何といおうか。
2、3、4速でコーナーを終える際に、思いっきりアクセルを踏んでみても、ちっとも慌てずに済むのは、Mディファレンシャルが賢くパワーを振りわけるからだ。
デュアル・クラッチATは淡々と、素早く変速を繰り返す。100km/hまでを4.3秒で駆け抜けるというデータに疑いはまったくない。通常時では最高速が250km/hに限られるが、オプションのドライバーズ・パッケージを選べば270km/hまで拡大するのだそうだ。
ハンドルを切ると、鼻先はサクッと向きを変える。反応が実によく、車体が切れこんでからの調整も用意だ。もてる限りの能力を引きだすことがとにかく楽しい。コーナリング時の動きがナチュラルなのもいい。