BMW X5 xDrive40e Mスポーツ
公開 : 2016.02.23 23:55 更新 : 2017.05.23 10:24
■どんな感じ?
イグニッションをONにすると、デフォルトでオートeDriveモードが立ちあがる。極力電気モーターを使うモードであり、必要な時にしか2.0ℓガソリン・エンジンはエンゲージしない。
電気ゆえイニシャル・トルクは力強い。市街地では、まったく音を立てずに進むのもいい。ただしアクセルは繊細に踏まなければならない。また70km/hを超えてはならない。でなければ、エンジンが目を覚ましてしまう。
けれどエンジンが目を覚ましたことはほとんど気づかない。ほんの一瞬だし、動作はなめらかだ。加速力はさらに増す。エンジンは軽く回るため、生き生きとした気持ちになる。
ただ、30dのトルクは期待することなかれ。その代わりに2つの動力源ならではの、幅広いパワー・レンジを味わえる。トップ・エンドもパワフル。追い越し時に身構える必要もない。
充電に余裕があるならば、Max eDriveモードを使ってみるのがいい。これならば約120km/hまで電力のみで走ることができる。ただ、31kmの航続可能距離と30.3km/ℓの燃費は諦めなければならない。それどころか8.9km/ℓ程度を覚悟しなければならない。
ウェールズの道を走らせたところ、重みに負けていないというのが、第一印象だ。Mスポーツのテスト車につく可変ダンパーは2.3トンのボディを見事にコントロールする。バンプをいなしながらも、横の不用意な動きは許していない。
それだけに、ステアリングの重みとブレーキの踏み心地が残念だ。一体感に水をさし、シャシーの強靭な印象を台無しにしている。
室内の居心地もいまひとつ。キャビンの質感は極めてたかく、エルゴノミクスには非の打ち所がないのだが、高速域のロード・ノイズとウインド・ノイズが目立つ。長距離の移動だと、次第に辛くなってくる。