アウディA8は「マイルド・ハイブリッド」トランスミッションを搭載
公開 : 2016.03.04 22:00 更新 : 2017.06.01 01:36
アウディの技術開発担当として新たに取締役に就いたステファン・クニルシュによれば、新しいA8は「マイルド・ハイブリッド」トランスミッションを採用する初のモデルとなるという。
2017年にローンチが予定されているA8は48Vの電気システムが与えられることが判っている。マイルド・ハイブリッド・トランスミッションは、エンジンのクランク・プーリーに大きなラバー・ベルトで連結された大径のスターター・ジェネレーター・モーター(SGM=交流発電機)と、小さなリチウム・イオン・バッテリーで構成されるシステム。クルマが低速時にはSGMがバッテリーをチャージすると共に、ラバー・ベルトがエンジンをアシストするというもの。これによって、燃費を向上させるほか、特定の駆動条件ではエミッションも向上するという。
クニルシュによれば、マイルド・ハイブリッド・トランスミッションはガソリン・エンジンにもディーゼル・エンジンにも組み合わせることが可能で、アウディSQ7で採用された電気コンプレッサーとの相性も良いのだという。電気コンプレッサーは、低速時にバック・アップ・バッテリーからの電力で駆動するもので、ターボ・ラグを完全に消し去るというものだ。
クニルシュは、新しいA8がマイルド・ハイブリッド・トランスミッションと、電気コンプレッサーを採用するとし、当初はV6ユニットにその技術が使われると話しているが、4気筒ユニットにもこの技術を展開していきたいようだ。最終的にはマイルド・ハイブリッド・システムは、パサートやゴルフ・サイズのモデルにも採用され、結果、フォルクスワーゲン・グループ全体で採用される技術となるとしている。
自動車工学のコンサルティング会社であるAVLによれば、48Vのマイルド・ハイブリッド・トランスミッションは、標準的なエンジンのパワーを20%向上させるとともに、CO2排出量を15%ほど削減することになるという。また、従来のように内燃機関自体に手を入れてハイブリッドにするのよりも、コスト的に安くつくのだそうだ。
例えば、ゴルフの1.0ℓエンジンにマイルド・ハイブリッド・トランスミッションと電気コンプレッサーを使うことによって、1.4ℓのTSIエンジンと同等のパワーを発揮しつつも、燃費が向上するという。