異なるのは排気量。フォーカスRSが2.3ℓであるのに対し、ゴルフRは2.0ℓ。最高出力も前者が350psと300psで異なる。

このおかげで0-100km/hタイムはフォーカスRSが4.7秒、ゴルフRが5.3秒と差はあるが、これはさほど重大だと考える必要はない。

ゴルフRの4モーション・システムは理論的には全トルクの100％をリアに送ることができるが、基本的にはFFで必要だと判断した場合、リアにパワーを与える。

フォーカスRSの場合は、すべてのパワーの70％をリアに常に受け渡す。リア両サイドには電制のクラッチ・パックがつき、どれくらいのパワーを使うかを判断。

そのうちのいくらかを、どちらの車輪に振りわけるかを機械側が考える。コーナーを速く抜けるには? と考えぬいた末のメカニカルだ。

バルセロナの道ではどちらももっともソフトなモードにしていたが、ボンネットが敏感に上下動するのはフォーカスRSの方だった。

ちなみに私は、フォーカスのアグレッシブなルックスに関してはどちらかと言えばウェルカムな立ち位置をとる。ウイングやスカートは英国の流儀とはおよそかけ離れているが少なくともまとまりはある。色も刺激的だ。

フォーカスRSの内装は外観ほどエキサイティングではない。レカロ・シートがあるにはあるが、座面は高いし、シート・バックもアップライトだ。

重要なペダル配置とギアノブの位置がよく考慮されているのは、フォルクスワーゲンとフォードが共通するところである。