メルセデス・ベンツE350e
公開 : 2016.03.09 23:40 更新 : 2017.05.13 12:50
電気とガソリンの融合は見事だ。特に市街地では、互いのなめらかな仕事の振りわけに恐れ入る。もちろん電力のみで走る場合、音はほとんど発さないに等しい。
ちょっとアクセルを踏んだだけですぐに内燃機関が目を覚ますクルマも多いが、メルセデスの思慮深いシステムは、本当に必要になった時だけ内燃機関に火が入る。
いざガソリン・エンジンが目覚めると350というバッジにふさわしい洗練性で車体を押し進める。本当に飛ばしたときのみ、4本のピストンが動くのがわかる程度だ。
パワフルであることは間違いなく、スロットルの反応は鋭い。回生装置の介入マナーも見事。オールドファッションな様子は微塵もない。
ただハイブリッドになったことで、マスが増加したことはよくわかる。E220dと比べると、明らかに動作が重いし、タイヤのグリップ抜けも速い。アンダーも強い。
スタンダードなエア・サスペンションはなめらかな乗り心地の実現に一役買っているが、ドッシリとした印象を払拭するまでには至らない。