マセラティ・レヴァンテ
公開 : 2016.03.11 23:50 更新 : 2017.05.29 19:12
軽量化に力を入れているが車重は2205kgあり、スティール・ボディのボルボXC90 D5は2009kg、アルミ・シェルのレンジローバー・スポーツTDV6は2115kgとなる。アルミ製のアウディQ7は2245kgだ。
VMモトーリが製作を請け負ったV6ディーゼル・ユニット(275ps)が英国仕様に設定されることが決まっている。他のマーケットには、350psと430psのV6ガソリン・エンジンも導入されるようだ。
■どんな感じ?
いつものSUVのテストのように、乗員の数によって変わる重心や、実用性云々を精査することを根本から拒むようなクルマだ。プログラム・マネージャーのフェデリコ・ランディーニもこれを認めている。
というのも、電制ダンパーとエア・スプリングが継続的な判断を行い、重心に合わせて最適化する。まだ最大で全トルクの90%をリア・アクスルに明け渡すことのできるシステムも15ミリ秒ごとに配分を変えるのだ。
サーキット上でのコーナリング・コントロールは極めて直感的に行える。430psのV6ガソリン・エンジンも試したのだが、簡単に速く走ることをマセラティが目指したことがよくわかる。特にドライ路面でそう感じる。
高いグリップ、コントロールのしやすさ、喜々として向きを変えるノーズを体験すると、いつのまにかSUVに乗っていることを忘れてしまう。むしろ、マナーの良さと荒々しさを併せもったFRのホットハッチのようだ。
アンダーは強めだし、タイトで滑りやすいバロッコのコースでは外に膨らみやすい。ESPをオフにするともっと暴れようとする。ただしスロットルをオフにすると忠実にエイペックスを向きはじめる。スポーツカーだ。