マセラティ・レヴァンテ
公開 : 2016.03.11 23:50 更新 : 2017.05.29 19:12
ほとんどのコーナーをレヴァンテは劇的に素早く、息を呑むほど正確にこなしていく。まだまだ攻められるはずだとムキになり、気づけばとんでもない速度でコーナーに飛びこんでいることが、ままあった。
また100km/h→0km/hに至るまでの制止距離もこのカテゴリーではトップ・レベルなのだという。シフト・チェンジもあっという間に済み、ダウン・シフトするとクラック音が笑顔にさせてくれる。
決して速さが自慢のディーゼルではないのだが、トライデントを掲げるクルマとしては合格点だ。
ガソリン・ユニットはもっとエキサイトさせてくれる。速度を高めると、管楽器のような音が耳を満たす。やり過ぎでないところもいい。立ちあがりはディーゼルほどでもないが、アンダーは出にくい。
英国市場の動向をロジカルに考えると、ガソリン・エンジンの出る幕ではないのだが、ガソリンならではの華やかさを感じた。いくぶん現実を見据えすぎたディーゼルよりも、(経済性は劣るにせよ)味わいがある。
オフロード? マセラティには似合わないワードだが、賢いトルク配分と車高のアジャスト、ヒル-ディセント・コントロールのおかげで、恥ずかしい思いをする必要のないアドベンチャー・ツールになっている。