ポルシェ911
公開 : 2016.03.12 23:50 更新 : 2017.05.29 19:04
同じくわずかな変更であるが、前後のライトの意匠が変わった。ヘッドライトは主にLEDのデイ・ライトが、テールライトは全体が立体的になっているのだ。
またエンジンの低い位置にマウントされた2機のターボチャージャーを冷やすために、グリルが大きくなり、後部にはベントが追加されている。
918スパイダーからキャリーオーバーした新式の可変エアロダイナミクスも追加された。速度に応じて開閉する、空気抵抗と内部温度を考えたシステムである。
ターボ加給のおかげでで、従来のように3.4ℓと3.8ℓの2種のエンジンを用意する必要もなくなった。カレラもカレラSも排気量は同じ3.0ℓ。コンプレッサーの大小の違いだけで出力の差別化が図られている。
カレラは370ps、カレラSは420psであり、どちらのグレードも20psずつ強化されている。またどちらも7500rpmからがレッド・ゾーンで、ピーク・パワーは6500rpmに訪れる。
それよりももっと大事なのは最大トルクである。51.0kg-mを生みだカレラSは、あのエキゾチックなGT3 RSの4.0ℓユニットよりも4.1kg-mのアドバンテージを得たのである。
すべてのポテンシャルを引きだすのに、先代の991は5600rpmまで待たなければならなかったが、バルブ・トレインを軽くし、可変排気カムシャフトを手にした現行型はたった1700rpmでトルクが最大になる。
そんな新ユニットに適合するために7速トランスミッションのギア・レシオがロングになり、パドル操作は左が−、右が+、ノブ操作は奥が−、手前が+となった。
二重構造のフライホイールは、遠心ペンデュラム(振り子)を得ることで、ドライブトレインの振動を打ち消す。おかげで低速かつ高いギアの場合でも静かになる。
PASM可変サスが標準となったことで、車高はこれまでよりも10mm下がった。リバウンドをやわらげるスプリングに変わり、後輪は10mm太くなった。
991 GT3やターボで市販モデルで初採用された後輪ステア・システム、段差を超える時などにフロント・ノーズを高めるシステムもオプションで追加できる。