ポルシェ911
公開 : 2016.03.12 23:50 更新 : 2017.05.29 19:04
■パフォーマンス
“濡れた路面のうえでさえ、強力なトラクションに度肝を抜かれる” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)
私が911のパフォーマンスを試すときに、いつも楽しみにしているのは “どれくらいの完成度なのか?” という点と “どのようにそれを披露してくれるか?” である。
ドライ路面の場合、静止状態から97km/hに達するまで4.5秒というのが姉妹誌の記録した数値だ。48km/h→113km/hまでもわずか3.4秒だった。
明らかにターボ化の恩恵だ。ほんの一瞬の待ち時間のあと、即座にパワーが湧きだす感覚が、乗っていて如実に感じられる。多くの人が簡単に力を引きだせるだろう。
‘しかし’ という接続詞を読者は心待ちにしているかもしれない。
そんな期待に答えるわけではないが、やはり高回転域のシューシューというターボ特有の音は避けられない。また、たおやかな回転感も損なわれている。
ただし、1度ターボ・エンジンを味わうと、こっちの方がいいじゃないかと思える。PDKとの相性のよさも、ターボ・ユニットの柔軟性を引き立てていると感じた。
■乗り心地とハンドリング
“コントロールしやすくなったにもかかわらず、乗り心地はよくなっている” ― マット・ソーンダース (ロードテスト編集補佐)
シャシー・チューニングが改められたことで、コントロールをしやすくなったと聞いて、乗り心地の足を引っ張っていないかが心配になった。
カレラSは、先にも記されているように車高が10mm低くなったが、テスト車は£558(9万円)のPASMスポーツ・サス・キットのおかげで20mm低い。さらに後輪ステア・システムが£1,530(25万円)上乗せされて装着される。
しかし乗り心地は、ほとんど多くのスポーツカーよりもいいのだ。