プジョー308GTi by PEUGEOT SPORT

公開 : 2016.03.13 23:50  更新 : 2017.05.29 19:00

308GTi BPSには、メガーヌR.S.やシビック・タイプRのような特別形式のフロント・サスペンションは与えられていないものの、どちらかというと高回転型のエンジン特性にも助けられてか、ジムカーナ走りでも無粋なトルクステアの類は看取されなかった。また、この上級の“270″は“250″に対して最高出力が20ps上乗せになる以外にも、タイヤが19インチとなり、トルセンLSDが追加されており、トラクション性能にも不満はない。

あくまでジムカーナコースとツインリンクもてぎ構内路というかぎられた場所での印象だが、乗り心地は予想以上に良好だ。サスペンションは常に滑らかに動いて、ロールもしなやかで低速でも突っ張るような硬さがない。メガーヌR.S.でいえば、日本の標準仕様であるシャシーカップより、柔らかいシャシースポール(日本にも限定車で何度か上陸した)に近い感じ。好事家が日常にも使うファーストカーとしては、なかなかいい落としどころのチューニングに思えた。

このGTi BPSにかぎらず、プジョー308は“超”がつくほどの小径のステアリングホイールがよくも悪くも特徴のひとつ。それに応じてステアリング・ギアボックスもわずかにスロー化されているので、ステアリング外周部での数値上は、特別クイックレシオではない。それでも、一般グレードの柔らかなシャシーの308では、スムーズに扱うにはコツが必要なことも事実だった。


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