レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル
公開 : 2016.03.14 23:50 更新 : 2017.05.29 19:20
また、幌が完全に開ききったあとに、その部分を覆うための蓋が、幌を閉じた状態だとCピラー内側に立ちあがる。これが案外鬱陶しい。常に肩の横に、大きなプラスティックが直立しているので圧迫感が増す。
屋根が取り払われたあとの車体剛性は想像どおり。プロトタイプのテスト時の軋み音やスカットル・シェイクは幾分おさまっていたのだが、基準車と比べると車体が別々の動きをするうえミラーが振動することもあった。
それにサスペンションが硬くなっているため、足元が突っ張る感覚が常にある。基準車も決して乗り心地に恵まれているというわけではないが、アンチ・ロールバーと20インチ・ホイールは頑固な印象をもたらしている。
また、コンバーチブルになることで車重は1967kgに達している。インジニウム・エンジンの43.8kg-mというトルクをもってしても少しキツイ。燃費も2.8km/ℓ悪化しているし、ブレーキにも負担が掛かっている。
グリップ力は高く、オンデマンド・ドライブトレインが適切にトルクを配分してくれるおかげでコーナーでは粘る。しかし、イヴォーク・クーペのように進んで前に進もうとする印象は消え去っている。
どこにでも冒険したくなるジープのような感覚とは無縁であり、かといってワインディングを飛ばす喜びに満ちていない。結果的に ‘まだ誰ももっていないクルマがほしい’ 人のためのカテゴリーを逸していない。