メルセデス・ベンツGLCクーペ
公開 : 2016.03.16 23:50 更新 : 2017.05.13 12:50
BMW X4やポルシェ・マカンへの刺客である。メルセデス・ベンツGLCクーペの試作モデルを試す。
メルセデス・ベンツのラインナップに加わったばかりのGLC ‘クーペ’ が紹介されたのは、シュトゥットガルト郊外にある ‘センター・オブ・エクセレンス’ と呼ばれるいかにも壮大な名前がついた施設だった。
豪奢な施設のフォアコートには、プリ・プロダクション版が停まっている。前から見るとベーシックなGLCと瓜ふたつだが、視線を後方に移すとなだらかに降下するルーフ・ラインが偽装の下に見て取れる。
現地時間の3月14日に行われるニューヨーク・モーターショーを目前に、お披露目会を開いてくれたのだ。
GLCクーペが最初に姿を現したのは2015年における上海モーターショーでのこと。この際、大半の情報はつかめていたし、今回は製品版に限りないく近づいていたため、目近で見てもさほどの驚きはなかった。ただ、C253と呼ばれる内部コードネームを授かったGLCクーペは、やはり自己主張の強いアピアランスであることは間違いない。組み立てはGLCと同じく、ドイツ国内のブレーメン・プラントにて行われる。
スポーティネスを想起させるデザイン
フロント・エンドは、押しだしの強いグリルや彫りの深いバンパー、デコレーションが施されたヘッドランプのグラフィックなどから、どっしりと構えた印象をカスタマーにもたらそうとする意図が感じられる。しかしボディ後半は、上下にギュッと絞られており、リアの窓に至っては、これでもかというほど斜めに設えられている。ここに、メルセデス・ベンツが全力で強調するスポーティネスが表現されている。
格好だけではない。オプションの20インチ・ホイールにはフロントが255/45、リアが285/40のタイヤを合わせているのだ。だから実際に見てみると、とかくドッシリと構えて感じる。これは速そうだ。GLCクーペは、リアのオーバーハングがGLCよりも76mm引き伸ばされたおかげで、全長は4736mmに達している。全高は上屋が下に向けて押されているため40mm低くなり、1600mmとなっている。