マクラーレンMP4-12Cスパイダー
公開 : 2012.10.17 16:51 更新 : 2017.05.29 19:11
■どんなクルマ?
マクラーレンは、フェラーリ458スパイダー、ランボルギーニ・ガヤルド・スパイダー、そしてポルシェ911ターボ・コンバーチブルに対抗する選択肢としてMP4-12Cスパイダーを登場させた。このモデルは、マクラーレンMP4-12Cを創り出す過程で既に計画されていたモデルで、その捻れ剛性や全体的な強度についてはクーペ・モデルと一切関係ないという。
フェラーリ458スパイダーのように、12Cスパイダーのルーフは、ボタンをプレスするだけで、車体の後部に折りたたんで収納できるハードドップだ。最高40km/hで開閉が可能で、要する時間は17秒だ。
そのボディ重量は、クーペよりも40kg重くなり1474kg。エンジンは、前期のクーペ・モデルの592bhpから616bhpに上がり、燃費も8.5km/lから8.6km/lへと僅かながら上がっている。また、CO2排出量は279g/kmと変りない。ピーク・パワーの発生回転数は500rpm上がっておりトップ・エンドでの加速感が増したとマクラーレンはコメントしている。ちなみに、トルクは61.1kg-mと変りない。
7速デュアル・クラッチのソフトウエアが見直され、スピードとギアチェンジのクオリティが改善された。以前より滑らかで、かつ直感的になったという。
その他の部分は、基本的にクーペと同じメカニズムで、同じステアリング、同じサスペンション・セットアップ、同じブレーキなど、すべて同一だ。
ちなみに、このスパイダーでアップグレードされたギアボックスやECUは、今後発売されるクーペにも同時に採用されており、更に前期モデルのクーペのオーナーはマクラーレンの世界38箇所にあるディーラーにいけば無料でアップデートできるという。
■どんな感じ?
ルーフを上げた状態では、以前より回るようになったトップ・エンドと、よりシャープになったギアボックスが印象的であるが、基本的にそのドライビング・テイストはクーペと変わるところはない。
しかし、一旦、ルーフを下ろすと、そこには驚くべき変化が待っている。そのエグゾースト・ノートが、クーペよりも3倍ドラマティックなエモーションを与えてくれるのだ。リア・バルクヘッドにある小さなヒーテッド・ガラス・パネルを通して聞こえてくるサウンド・レベルは、クーペの2倍といってよいほど。
オープン状態では、クーペの礼儀正しさはなくなり、そして、目の前に広がる道が、活き活きと感じられるようになる。そのサウンドは、今までにはなかった最後の1000rpmで咆号を上げ、改善されたギアシフトが楽しさを倍増する。吸気サウンドとエグゾーストの叫びは、実際以上に速度を感じさせ、法外なスーパーカーを感じさせるのだ。また、シフトダウンの際のサウンドも心地よく感じた。
■「買い」か?
ルーフを下ろした12Cスパイダーのパーソナリティは、ライバル達よりも印象的だ。ボタンを押してルーフをリア・シートの後ろに折りたたんだ瞬間から、その性格が変化するのだ。それは、まるで二重人格のようである。その性格の変化は、458スパイダー以上だ。
来月からデリバリーが開始されるが、マクラーレンMP4-12Cの顧客の80%以上がこのスパイダーを選んでも不思議はないと思える。
(スティーブ・サトクリフ)
マクラーレンMP4-12Cスパイダー
価格 | 195,500ポンド(2,480万円) |
最高速度 | 328km/h |
0-100km/h加速 | 3.1秒 |
燃費 | 8.6km/l |
CO2排出量 | 279g/km |
乾燥重量 | 1474kg |
エンジン | V型8気筒3799ccツインターボ |
最高出力 | 616bhp/7000rpm |
最大トルク | 61.1kg-m/3000rpm-7000rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ・オートマティック |