text & photo:Kazuhide Ueno (上野和秀)
世界初となる、フィオラヴァンティ氏がデザインした車両を対象とするコンコルソ・デレガンツァが、名古屋にあるノリタケの森で開かれた。
‘60年代後半から’80年代にかけてピニンファリーナに在籍し、幾多の傑作を手掛けたデザイン界の巨匠がレオナルド・フィオラヴァンティだ。今回アウトガレリアルーチェで開催されている”IL CAVALINO NEL CUORE”/フェラーリを愛した伝説のデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティ展にリンクして行われたものである。レオナルド・フィオラヴァンティ氏は1938年生まれで今年78歳となるだけに、移動の負担を考えると恐らく最後の来日になるかもしれない。
今回はフィオラヴァンティ氏が手掛けたモデルを対象とし、クラスAはディーノ206/246GTが9台、クラスBは308/328系で最多の22台、クラスCは12気筒エンジン車と’80年代のモデルとされ15台を数えた。クラスDはフェラーリ以外のメーカーでピニンファリーナ・デザインの車両で8台、そしてクラスSは特別展示としてチシタリア 202CS、フェラーリ456GTAなどで、選りすぐりの57台がノリタケの森に集まった。
当日は天候にも恵まれ、首都圏や関西地区からの見学者が数多く来場し、フィオラヴァンティ・デザインの車両たちの美しさを存分に鑑賞していた。
コンクールの審査は5人の委員に加え、審査委員長はレオナルド・フィオラヴァンティ氏が務めた。審査はオリジナル度だけではなく、普段からいかに、オーナーが愛情をこめて維持してきた点も加味して行われた。審査が始まるとフィオラヴァンティ氏はデザイナーらしくボディのチリを始め、カムカバー等の色や内装までチェックし、不明点があるとオーナーに質問するほどの力の入れようだった。審査が終わるとオーナーからのリクエストでサインに快く応じていた。
審査が一段落したところで特別賞の発表が行われた。ゲートまで自走進むデモランが行われ、ここでフィオラヴァンティ氏からオーナーに特製のプラークが贈られ、協賛各社の副賞が手渡された。フェラーリ・ジャパン賞は後藤清雄氏所有のフィオラヴァンティが特許を持つ回転式ルーフ開閉方式を備える2005年型フェラーリ・スーパーアメリカに贈られ、コーンズ賞はマラネッロで新車を購入し現在も乗り続けている秋田良子さん1973年型のディーノ246GTが選ばれた。フィオラヴァンティ賞には、フィオラヴァンティ氏が学生の時から課題としている高い空力性能を備える4ドアセダンの理想型を具現化した1978年型ランチア・ガンマ・ベルリーナを所有する岡本雅隆氏が選ばれた。余談だが空力性能に優れるこのスタイリングは、現在のクルマでも採用されている。
続いて今回のコンクールの頂点に位置するプライズである、ベスト・オブ・ショー・アワード・バイ・レオナルド・フィオラヴァンティが発表された。こちらは原 勝祐氏が所有する素晴らしいコンディションに保たれた1977年型フェラーリ308GTBが選ばれた。
ランチのあとに表彰式が行われ、各クラスのウイナーと2位、スポンサー賞のオーナーにプラークと副賞が手渡された。こちらの入賞者は写真でご紹介しよう。
こうして世界初となるレオナルド・フィオラヴァンティ氏をトリビュートしたコンコルソ・デレンツァは、大成功のうちに幕を降ろした。フィオラヴァンティ氏もかつて手掛けたクルマ達が、日本の熱心なオーナーの許で素晴らしいコンディションに保たれ可愛がれていたことから、終始満足げだった。
今回のコッパ・フィオラヴァンティは、主催者にとって初となるコンクール・デレガンスだった。しかし、高い見識で行われていたため、極めて高いレベルの内容で、大成功といえるものだった。機会があれば再びの開催を期待したい。
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参加車両はグループごとに並べられた。フェラーリ288GTOが存在感を放つ。
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フェラーリ348系の開発時にもフィオラヴァンティ氏が関わっている。
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会場の入口にはディーノ206/246GTが属するクラスAが展示された。
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クラスCは’70〜80年代の12気筒モデルとプレミアム・モデル、モダーン8気筒モデルが競う。
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赤レンガ倉庫の南側にはクラスCとクラスDの車両が並べられた。コンクールには絶句のシチュエーションだ。
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フィオラヴァンティの代表作といえる308/328系はクラスBとされ、22台が参加した。
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288GTOをより突き詰めたF40のスタイリングにもフィオラヴァンティ氏が関わっている。3台が参加した。
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フィオラヴァンティ氏が審査委員長を務め、5名の審査員と共に各車を厳格にチェックが行われた。
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フィオラヴァンティ氏のチェックは細部まで及び、不明点があるとオーナーに確認してからジャッジしていた。
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一部の受賞車は自走でゲートに。コーンズ賞は新車から所有する秋田さんのディーノ246GTに贈られた。
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フェラーリ・ジャパン賞は、フィオラヴァンティ特許の回転式ルーフを備えるフェラーリ・スーパーアメリカに。
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オーナーのリクエストに応え、ダッシュボードにフィオラヴァンティ氏のサインが入れられた。
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フィオラヴァンティ賞は、空力を突き詰めた4ドアセダンであるランチア・ガンマ・ベルリーナが選ばれた。
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ベスト・オブ・ショーには原 勝祐氏が所有する1977年型フェラーリ308GTBが選ばれた。
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フィオラヴァンティ氏を称えるコンクールだけに、受賞者に贈られるプラークもスタイリッシュだ。
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各クラスの1位と2位のほか、協賛スポンサー特別賞が用意され、フィオラヴァンティ氏から手渡された。
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表彰式が終わるとレストランからフィオラヴァンティ氏に、サプライズで特製のドルチェが振る舞われた。
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フィオラヴァンティ氏は多忙にもかかわらず、手があくと参加者からのサインの求めに快く応じていた。
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クラス-A優勝/1972年型ディーノ246GTS
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クラス-A 2位/1969年型ディーノ246GT
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クラス-A コーンズ賞/1973年型ディーノ246GT
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クラス-A スピードショップF2賞/1970年型ディーノ246GT
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クラス-A/1969年型ディーノ246GT
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クラス-A/1969年型ディーノ206GT
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クラス-A/1971年型ディーノ246GT
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クラス-A/1969年型ディーノ246GT
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クラス-A/1973年型ディーノ246GT
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ベスト・オブ・ショー/クラス-B/1977年型フェラーリ308GTB
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クラス-B優勝/1989年型フェラーリ328GTB
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クラス-B 2位/1989年型フェラーリ328GTS
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クラス-Bノリタケ賞/1988年型フェラーリ328GTB
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クラス-B/1976年型フェラーリ308GTB
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クラス-B/1976年型フェラーリ308GTB
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クラス-B/1977年型フェラーリ308GTB
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クラス-B/1977年型フェラーリ308GTB
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クラス-B/1979年型フェラーリ308GTB
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クラス-B/1978年型フェラーリ308GTS
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クラス-B/1981年型フェラーリ308GTB エヴォルツィオーネ
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クラス-B/1980年型フェラーリ308GTB
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1982年型フェラーリ208GTBターボ
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クラス-B/1984年型フェラーリ308GTB QV
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クラス-B/1984年型フェラーリ308GTB QV
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クラス-B/1986年型フェラーリ328GTB
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クラス-B/1986年型フェラーリ328GTS
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クラス-B/1987年型フェラーリ328GTB
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クラス-B/1988年型フェラーリ328GTS
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クラス-B/1987年型フェラーリ328GTB
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クラス-B/1988年型フェラーリ328GTS
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クラス-B/1989年型フェラーリ328GTB
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クラス-C 優勝/1985年型フェラーリ288GTO
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クラス-C 2位/1972年型フェラーリ365GTC/4
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クラス-C フェラーリ・ジャパン賞/2005年型フェラーリ・スーパーアメリカ
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クラス-C フェラーリ・ジャパン賞/1972年型フェラーリ365GTB/4デイトナ
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クラス-C アウトガレリア”ルーチェ”賞/1973年型フェラーリ365GT4/BB
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クラス-C/1975年型フェラーリ365GT4 2+2
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クラス-C/1982年型フェラーリ400i
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クラス-C/1979年型フェラーリ512BB
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クラス-C/1988年型フェラーリ・テスタロッサ
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クラス-C/1991年型フェラーリ・テスタロッサ
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クラス-C/1989年型フェラーリF40
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クラス-C/1990年型フェラーリF40
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クラス-C/1989年型フェラーリF40
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クラス-C/1989年型フェラーリ348tb
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クラス-C/1995年型フェラーリ348スパイダー
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クラス-D優勝/1967年型フィアット・ディーノ・スパイダー2000
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クラス-D 2位/1981年型ランチア・ベータ・モンテカルロ
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クラス-D フィオラヴァンティ賞/1981年型ランチア・ガンマ・ベルリーナ
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クラス-D ガレリア・アミカ賞/1973年型プジョー504カブリオレ
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クラス-D/1961年型アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
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クラス-D/1967年型アルファ・ロメオ・ジュリア・スパイダー・デュエット
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クラス-D/1968年型アルファ・ロメオ1300ジュニア・スパイダー
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クラス-D/1982年型ランチア037ラリー
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クラス-E/1948年型チシタリア202SC
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クラス-E/1996年型フェラーリ456GTA