フォード・マスタング2.3エコブースト・コンバーチブル
公開 : 2016.03.17 23:40 更新 : 2017.05.29 18:53
■どんな感じ?
‘2.3’ というキーワードを目にして、フォーカスRSのことを思いだしたのであれば、あなたは熱心なAUTOCARの読者にちがいない。
そう、2.3ℓ4気筒はわれわれがこよなく愛するフォーカスRSのエンジンと隅々まで同じなのである。しかし、刺激が真夏の水蒸気のようにそっくり消え失せている。
静止状態からの回転の立ちあがりはスムーズなのだが、そこにキャラクターと呼べるものがない。髪を逆立てるような刺激的なサウンドもまるで聞こえてこない。
仮に何らかのセダンにこのエンジンが載っているのならば、褒め称えたに違いないが、マスタングはスポーツカーだ。あまりに穏やかすぎやしないだろうか。
オートマティック・ギアボックスも巻き返してこない。動作が鈍く、パドルを弾いても実際に変速が行われるまでに待ち時間がある。マニュアルもまた違和感がある。
たとえばBMW 420iと比べても、スピード自体は劣っていないだけに、残念な結果である。
喜びを感じられるのは、一般道よりも峠道の方だ。ファストバックもそうなのだが、体躯から想像する動きの鈍さを根こそぎ裏切ってくれるのである。一体感がある。入力に対しても素直に反応してくれる。