次期ジャガーXJは2019年にデビュー
公開 : 2016.03.18 22:25 更新 : 2017.12.14 12:31
何ヶ月間にもおよぶ議論の末、ジャガーは次期XJをスーパー・ラグジュアリーなサルーンとして世に送りだすことを決定した。この新しいXJは、複合素材によるアーキテクチャー、新世代V6ハイブリッド・ユニット、自動運転技術など多くの新機構を盛り込んだモデルになるということだ。
デビューは2019年。コンセプト・モデルは初代XJがデビューしてから丁度50年目にあたる2018年の発表となる。イラストはAUTOCARの予想である。
内部の情報によれば、XJのあり方に関する議論は実に広範囲にわたって行なわれたという。何人かはレンジローバー・スポーツのようなSUVとしてリメイクすることを提案したり、何人かはXJ自体を終わりにするという提案を行った。メルセデス・ベンツSクラスに対抗するだけの大きな投資は見合わないという理由からだ。Sクラスの生産から較べると非常に少ない数ではあるが、それでも、現行のXJは年間20,000台を販売している。
また、XFが大型化されたために、XJのテリトリーを犯しているという意見もあった。D7aアルミニウム・アーキテクチャーで作られる新しいXFは、今年7年めを迎えるXJよりも広い空間を持つに至っている。
この議論は、JLR内部のみならず、親会社であるインドのタタを巻き込んで議論されたようだ。実際、昨年の夏まではXJをどのように新世代にするかという計画はなかったという。
ジャガーのチーフ・デザイナーであるイアン・カラムは、F-ペースがボルボXC90のように、事実上のジャガーのフラッグシップとなる可能性については否定している。
「われわれはフラッグシップとなるモデルを2つ持っている。ひとつはF-ペース、そしてもう一つがXJだ。」とカラムはコメントしている。また、広さだけを求めるのであれば、現行ラインナップではXFをおすすめするとも語っている。
XJの継続を決定づけるには大きな転機が何回かあったという。まず最初は、現行Sクラスの成功だ。Sクラスの成功は、高級なサルーンは衰退し、ラグジュアリーなSUVがそれにとってかわると予想していたアナリストを混乱させるに充分な売上を示した。
次の転機はジュネーブ・モーターショーでBMWの取締役のイアン・ロバートソンが、カリナンがリリースされたととしても、オールス・ロイスのフラッグシップはファントムであり、これに代わることはないと断言したことだ。
そして、BMW 7シリーズのデビューもXJのあり方を考えさせる材料となったようだ。7シリーズは、カーボンファイバーとアルミニウム、スチールを複合素材として使用するアーキテクチャーを持つモデルだ。
Sクラスや7シリーズの贅を尽くした室内や高いクラフトマンシップは、ジャガーのプランナーにプレミアム・マーケットの敷居がより高くなっているということを再認識させたのだとも言う。ジャガーも、フラッグシップ・モデルとなる次期XJには、ハイブリッド・テクノロジーと自動運転技術を盛り込む必要があると認めている。