フォルクスワーゲン・トゥーラン
公開 : 2016.03.19 23:50 更新 : 2017.05.29 18:57
燃料消費率算出の専任テスターがだした、今回のテストの平均は19.3km/ℓ。ちなみにマニュアル・トランスミッションのフォードS-マックスが15.4km/ℓ、シトロエン・グランドC4ピカソが17.7km/ℓである。
滑りやすいコンディションでも、望むとおりのブレーキ・パフォーマンスを体感できたが、もしわれわれが購入するとなれば17インチのホイールを購入するはず。こちらのほうがグリップを発揮しやすいからである。
■乗り心地とハンドリング
“私の考えるトゥーランの長所は、落ち着いた乗り心地とバランスのいいハンドリングである” ― マニック・カケット(ロードテスター)
舵角を増せば、比例的にフロントが気持ちよく向きを変える。それだけで、買う価値がある小型MPVだと思える。フォルクスワーゲンの達成。乗りやすくストレスのない、家族のためのクルマに出会うことができた。
事実、インテリアはプレーンだし、エンスージァストを震えあがらせる興奮もない。ただ、大事なのは快適性と挙動の予想のしやすさではないだろうか。ファミリーMPVにとって必要なものが揃っている感覚がある。
シトロエン・グランドC4ピカソに比べるとサスペンションの動きにはコシがあり、荒い路面では眠気が覚めるほどなのだが、だからといって硬さに狼狽することなど1秒としてない。なんと扱いやすいクルマなことか!
ステアリングの程よい重み、クイックネス、なめらかな感触……。ボディ・ロールは不安になる手前で安定するし、横方向の粘りづよさも十分。スタビリティの高さにも恐れ入る。頼りになるクルマとはこのことだ。一貫したマナーと、ステアリングの正確性。極めてハードなコーナリングを試みても、シャシーはナーバスさをまるでみせない。アンダーの出方も穏やか。ESPの効きも配慮されている。どんな環境でも出しゃばらない。これこそが、もっとも評価されるべく点だろう。
気の利く、夫思いの伴侶を見つけたような気分である。