フォルクスワーゲン・トゥーラン
公開 : 2016.03.19 23:50 更新 : 2017.05.29 18:57
■経済性とランニング・コスト
“ライバルに比べると高価だが、クオリティは担保される” ― ニック・カケット(ロードテスター)
エントリー・グレードを比較すると、トゥーランはシトロエン・グランドC4ピカソよりも£4,000(65万円)、ルノー・セニックよりも£1,500(24万円)高価だ。
英国仕様の標準装備は、コンポジション・メディア・タッチスクリーン・インフォテインメント・システム、DABラジオ、カーテン・エアバック、危険回避ブレーキ・システムというラインナップ。
もっと望むならば、マッサージ機能、2列目のシート用アウター・ヒーター、可変LEDヘッドライト、トレーラー・アシスト、LEDヘッドライトなど限りがない。
われわれが買うならば2.0 TDIにマニュアルを組み合わせた標準グレードとするだろう。追加でアロイ・ホイール、ヒーター付き窓ガラス、可変クルーズで決まりだ。
もし予算に余裕があるならば、‘ディスカバー・プロ’ ナビゲーションを追加するかもしれないが、それ以上は選びすぎ。‘程よさ’ がファミリーMPVにとって大事だ。
■「買い」か?
“もっと冒険してもいいとは思うが、スペース、洗練性、クラシカルさはトゥーランならでは” ― マット・ソーンダース (ロードテスト編集補佐)
Good:パッケージング、質感、スペース、快適性と洗練性
Bad:冒険に乏しいエクステリア、価格、CO2排出量
トゥーランは小型MPVカテゴリーの教科書のような存在だといっていい。
フォルクスワーゲンらしいプレーンなキャラクターがうまく反映されているし、なによりパッケージングのうまさにも感心する。当然このクラスの上位に食いこむ。
実用性を第1に考えるならば、もう一回り大きいMPVを買うほかないが、そうでなければトゥーランのほかにBMWグラン・ツアラーやS-マックスと迷うだろう。BMW2シリーズ・グラン・ツアラーは、質感が高い内装が自慢だし、フォードS-マックスは例によってダイナミクスで周囲を突き放す。
そこでトゥーランを振り返ると、際立った特徴がないことに気づくのだが、言い換えれば、それこそが安心感を誘発する、立派な特長ということにもなる。なにも没個性的というつもりはない。あくまでプレーンであり、不快感や不安感を感じさせないことが、かえって長く付き合いたいと思う理由になることだってある。
ファミリーMPVにとっては特に大事なことだ。
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