もしR-スポーツのレーシーな外観にこだわるのならば、ある程度受け入れなくてはならないが、プレステージ／ポートフォリオの方がやわらかく落ち着いている。

トラクションを失うのは、かなり激しくプッシュした時のみだ。もちろん氷上ならばもっと明らかだが、乾いた道ならば限界時に攻めこんだ時に真価を発揮する。

あえて後輪に負荷を与えてみると、4WDシステムがパワーをシャフリングしはじめる寸前だけ、リアがステップ・アウトする傾向がみられる。

その瞬間に目いっぱいアクセルを踏みつけると、わずかながらにズリズリとテールが流れる。怖いとは感じないうえ、アウディのシステムよりもエキサイティングだ。

それ以外の部分は完璧なまでにベーシックなXFと共通。内装のデザインには感動するし、後部座席／トランク・スペースは、どのライバルよりも広く大きい。それだけに、内装に使用するマテリアルはアウディほど上質とはいえないうえ、このカテゴリーの上位と比べるとディーゼルの洗練性が劣るところまで共通なのは、正直なところやや残念だと感じた。