キャデラックATSクーペ & Apple CarPlay

公開 : 2016.03.28 23:40  更新 : 2017.05.29 18:32

ATSクーペのCarPlayモードで表示されるアイコンは全部で7つ。どれもiPhoneのトップメニューで見慣れたものばかりで、オリジナルで用意されたコンテンツはない。画面左下にはiPhoneでお馴染みのホーム・ボタンもある。ハード面で高められた処理能力は動きがとても快適。ホーム・ボタンを長押しするとSiriが起動し、様々なコマンドを音声で入力できるのもiPhoneと同じだ。また、ATSクーペではステアリングにある音声ボタンを長押ししてもsiriは起動できるようになっていた。

このSiriを使うメリットは目的地を探すのも聞きたい楽曲を探すのもすべてこの操作で行えるということ。認識精度は高く、発した声に対して即座に反応する。この能力はiPhone単独で使うのと何ら変わりがない。仮に探せない時があってもSiriならではの反応が返ってくる。なかなか認識してくれなかった一昔前とその能力の高さは桁違いだ。

音楽を聴きたい時はSiriを使って「音楽を聴きたい」と告げると、直前までiPhoneで聴いていた音楽が再生される。画面には曲名も表示され、トラック・サーチも「次の曲」と音声で入力するだけ。これは「PodCast」や「オーディオBOOK」を再生する時も同じだ。また、ネットワークを介した「Apple Music」を聴くのも可能で、これを使えばネット上にある膨大な音源を自在に楽しめるのだ。標準装備されたBOSEサウンドはアメリカン・サウンドらしい厚みある低音を聴かせてくれ、この使い勝手は正直楽しい。

ナビや音楽を利用中に電話が着信しても慌てる必要はない。自動的にハンズフリー・モードに切り替わり、相手の声がスピーカーから聞こえてくる。従来のカー・ナビゲーションと同様、相手の声の音量も調整できる。

肝心のナビゲーション機能はどうか。スマホ用ナビアプリという観点で見れば「良くできている」と言えるが、車載ナビゲーションと比較すると「心許ない」となる。

スマホ用ナビアプリよりも優れていると思えるのは、はやはりSiriを介した使い勝手の良さだ。Siriを使った目的地検索は大規模施設や公共機関、周辺検索を探すのには有効で、何よりもこれらが走行中にできるのは安全上の観点からも高く評価できる。しかし、Siriを使って小規模の施設を絞り込もうとすると思うようにいかくなる。住所検索もピンポイントでできるのは住居表示がある都市部だけ。結果としてiPhone側のブラウザを使って探し出すことになり、この操作をする時点で他のナビアプリとあまり変わらなくなってしまう。

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