トヨタ86 GRMN

公開 : 2016.04.01 23:50  更新 : 2021.03.05 18:46

  • マークX GRMNのインテリア。アルカンターラがふんだんにあしらわれる。

  • マークX GRMNのホイール。奥には356mmのディスクと4ポット・キャリパーが見える。

  • トヨタ・ノアG'zのプロトタイプ。G'zの初のモデルは実はノアで、若者を趣向を考えた結果だという。

  • 走りにまつわるパーツの大半はノーマルだが、シート形状が変わり、横方向にサポートする。

■「買い」か?

繰り返しになるが、ここで「買い」といったところで、もう買うことはできない。

100台の86 GRMNに、受注期間内に寄せられた申し込みは3000件を軽く超えたという。仮にもトヨタほどの大企業の商品なのに、購入するには30倍以上(!)という倍率を勝ち抜くための神のご加護が必要なわけだ。

しかも、クルマという高額商品の購入検討には、約2週間という受注期間はあまりに短い。正直いえば、こんな台数や受注方法では、実質的には「存在していないのと同じ」である。

前記のようにトヨタのスポーツ車両統括部が手がける商品には、今回プロトタイプが持ちこまれたヴォクシーノアのようなG’sと、このGRMNがある。G’sもこの種のものとしては本格的なチューン内容で、シャシー性能は悪くない。実際、プリウスアクアのG’sもけっこうなヒット商品となった。

ガズーは「トヨタは面白くない」というマニア間でのネガティブ・イメージを覆すためのキモいりのプロジェクトである。だが、現状では本格的なスポーツモデルを欲する好事家にはG’sはいかにも物足りず、その上のGRMNとなると、いきなり ‘実質的には購入不可能’ という代物になってしまう。

われわれ一般のクルマ好きがほしいのは、マニアが納得できる本格的な内容をもち、それに憧れてコツコツと貯金して買えるクルマである。ガズーをスバルのSTI、もしくはホンダのタイプRのようなものにしたいなら、(G’sとGRMNの間に位置する)本格的なカタログ・スポーツ・モデルこそが必要なのではないか。

そのもっとも重要なポジションを欠くところが、ガズーの決定的な弱点と思う。


トヨタ86 GRMN

価格 6,480,000円
全長×全幅×全高 4290×1775×1300mm
ホイールベース 2570mm
乾燥重量 1230kg
エンジン 水平対向4気筒1998cc
最高出力 219ps/7300rpm
最大トルク 22.1kg-m/5200rpm
ギアボックス 6速マニュアル
サスペンション マクファーソン・ストラット / ダブル・ウィッシュボーン
ブレーキ 4輪ベンチレーテッド・ディスク
タイヤ 215/40R17 / 235/40RF17
燃費(JC08モード) NA


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