フォード・マスタング5.0 V8 GTコンバーチブル
公開 : 2016.04.01 23:40 更新 : 2017.05.29 18:53
■どんな感じ?
親指で赤いスターター・ボタンを押し込むと、ガルルルと吠えるV8エンジンに自然と笑顔になる。これこそがマスタングらしさというもの。顧客のうち68%がこちらのエンジンを選ぶと聞いても、何ら不思議ではない。
1000rpmを超えたあたりでは、力強さをあまり味わえないが、そこからアクセルを踏み増せば、加速Gが体をシートに強く押しつける。これと同時に、理性を欠いた、荒くれたサウンドが全身の毛をさかだてる。「これこれ!」と高揚しはじめる。
直線を走る限り、クーペとの違いはほとんどわからないがコーナーに差し掛かると、少しずつ明らかになってくる。サスペンションとボディ剛性の両方の面でコンバーチブルの方がやわらかく感じるのだ。いくつかのバンプを踏むと、視界が悪いリアを写すルーム・ミラーが小刻みに震えるだけでなく、ボディの方もブルブルと身震いする頻度が増すのである。
パワーと駆動方式ゆえ、路面が濡れていない状態でも後輪がステップ・アウトしやすい。トラクション・コントロールがオンでもこの傾向は変わらず。ただ扱いやすく、慌てふためくことはない。