ケータハム620S

公開 : 2016.04.29 23:50  更新 : 2017.05.29 18:33

0-97km/hを公表値のとおり3.8秒以下で走るには、それなりのコンディションと変速スキルが必要になるだろうが、だからといって遅いと感じることは当然ない。

2速、32km/hまでは2.0秒。3速48km/hまでは3.0秒以下でたどり着ける。イン・ギア時の加速も恐るべしだ。48-80km/hまでは2.9秒、113-145km/hまではわずか2.2秒だ。エアロの改善も明確に効いている。

5速マニュアルの変速もポジティブだ。それぞれのゲートには軽くインサートできる。手首というよりも指先を使う感覚だ。ペダル配置にもまったく不満はない。

SVシャシーのおかげで足元のスペースも増している。体格が大きいドライバーでも靴を脱ぐ必要はない。

■乗り心地とハンドリング

“コックピットがタイトだから、ステアリングを目一杯切りづらい。早めのテール・アウトを避けるというのも620Sのドライバーに求められるスキルだ” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

扱いやすく感じられる理由は、シャシーの変更に尽きる。サーキット走行を主軸に考えるならば、スプリングとダンパーの設定がもう少しアグレッシブでもいいかもしれないが田舎の峠道では実に最適である。

Rでは気をつかうような路面のうねりでも、Sの場合、不安なく走りぬけられる。全パワーの4分の3を気兼ねなく、常に引きだせるのがいか素晴らしいことか。

極めて微細な修正を加えても、1ミクロの誤差なく車体が反応してくれる。むやみに ‘不屈の精神’ を押し付けるところのない、ピュアさにも夢中になる。

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