ボルボV60ポールスター
公開 : 2016.04.04 23:50 更新 : 2017.05.29 19:08
■どんな感じ?
ここまで読んで、V60ポールスターがサーキットに重きをおいたクルマであると思ったとしても無理はないが、当のポールスター側はそんなことを考えていない。
速いクルマをつくろうとする目的はあるのだが、それと同じくらい扱いやすいロードカーづくりを目指している。これが同ブランドのフィロソフィーでもあるのだ。
コンフォート・モードであれば、エンジンはミュート状態でありつづけ、ギアボックスはスラー演奏のようになめらかにギアどうしを接続している。
これをスポーツ-、あるいはスポーツ+にすると、エンジンは4000rpmあたりをキープしつづけ、各コントローラーからの入力に対する反応も鋭くなる。
このモードであればエグゾーストのバルブも開くから、音はより勇ましいものに。DCTほどではないが、変速がクイックになったことも体感的にわかる。
たしかに速いのだが、不敬だと感じるほどではないのはボルボらしさといえようか。それよりも2000rpm以下でほんのわずかに感じるラグの方が気になってしまう。
ステアリング・モードは3種用意される。もし、人工的な重さが嫌いなのであれば、この場合、うまくジャッジされたコンフォート・モードが適役だろう。
コンフォート・モードでも、心地よい情報量に満ちあふれているわけではないのだが、舵角を増すにつれて。なめらかに重みを増してくれる。
慎重に吟味されたであろうスプリング・レートは、たしかにコシのある当たりをするが、ハーシュネスに悩まされることはない。英国の道でも不満は少ないはずだ。